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2024.06.05 10:30

【米国株ウォッチ】セールスフォースは決算後の急落で「お買い得」?

Lindsey Nicholson/UCG/Universal Images Group via Getty Images

Lindsey Nicholson/UCG/Universal Images Group via Getty Images

米国のクラウドサービス企業、セールスフォースの株価(ティッカーシンボル:CRM)は米国時間5月30日の取引で、S&P500種株価指数が1%の下落だったのに対し、21.6%下落した。

CRMが急落したのは、同社が2025年3月期第1四半期の決算を発表した後のことだ。同四半期の売上高は市場予想を下回り、第2四半期と2025年度通期のガイダンスの数値も同じく予想を下回った。結果的に、S&P500が年初来で10%上昇しているのに対し、CRMは同期間に19%下落している。

私たちはCRMの目標株価を、現在の株価水準より約24%ほど高い298ドルと算出している。本稿では私たちがこの目標株価を設定した理由や同社の動向などを解説する。

株価パフォーマンス

現在の金融情勢を背景に、CRMは2021年1月初旬の225ドル台から現在の234ドル前後まで小幅に変動している。株価指数に対するCRMのパフォーマンスは不安定である。CRMのリターンは2021年に14%、2022年はマイナス48%、2023年は98%であった。これに対しS&P500のリターンは2021年27%、2022年マイナス19%、2023年24%であり、CRMは2021年と2022年にS&P500を下回っている。

決算分析

直近の四半期決算におけるセールスフォースの売上高は91億3000万ドル(約1兆4000億円)で、主にサブスクリプション部門とサポート部門における売上が12%増加したことにより、前年同期比11%増となった。サブスクリプションおよびサポート部門の傘下にあるすべてのサブセグメントで売上が伸びた。主にセールスクラウドが10%増、サービスクラウドが11%増、インテグレーション&アナリティクスが24%増となった。

注目すべきは、セールスフォースの売上高の約95%がサブスクリプションおよびサポート収入によるものであることだ。コスト面では、営業費用が大幅に減少したため、営業利益率は18.7%(前年同期は5%)となった。純利益は前年同期の1億9900万ドル(約311億円)から15億3000万ドル(約2392億円)に改善した。

セールスフォースの2024年度通期の売上高は前年度比11%増の349億ドル(約5兆4000億円)だった。これは、主にサブスクリプションとサポート部門の売上が12%増加したことによる。さらに、売上高に占める総経費の割合も減少し、営業利益率は前年度の3.3%から14.4%へと改善した。GAAPベースの純利益は2億800万ドル(約325億円)から41億4000万ドル(約6475億円)に急増した。

結論

次の四半期である第2四半期の売上高は92億ドル(約1兆4000億円)程度で着地すると私たちは予想している。また、2025年度通期の売上高は380億ドル(約5兆9000億円)程度になるだろうと予想する。CRMの一株あたりの売上高は37.59ドルとなるが、私たちは株価売上高倍率を7.9倍として1株あたりの売上高に掛け合わせ、CRMの目標株価を298ドルと算出している。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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