嬉しいことに、『ゴジラ-1.0』はネットフリックスでの配信開始直後に、米国での人気映画ランキングで1位に入った。人気を支えているのは口コミで、すでに見た人々の多くがまだ見ていない人に同作を勧めている。
しばらく1位となっていたジェニファー・ロペス主演のSF映画『アトラス』(大きな予算を投じて製作されたが、その内容はひどいものだ)は、週明け3日時点のランキングで3位に転落した。2位は、ポーランドのスリラー映画『Colors of Evil:Red』だ。同作は批評サイト「ロッテン・トマト」でレビューの件数が不足しているためスコアがついておらず、視聴者による評価も50件以下という状況にもかかわらず、ここまで健闘しているのは興味深い。
4位には、『ゴジラ-1.0』と同じく最近配信が始まった『LEGO ムービー』が入っている。同作は子持ち世帯に人気があることは間違いなく、近く『ゴジラ-1.0』を追い越すかもしれない。セス・マクファーレン監督・主演の西部劇コメディ『荒野はつらいよ アリゾナより愛をこめて』も新たに5位にランク入りしたが、2014年公開のためか、私は聞いたことがない作品だ。6位以下は、『名探偵ピカチュウ』『シュレック』『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』『マダム・ウェブ』が続いている。
『ゴジラ-1.0』は、シリーズの原点に回帰し、ゴジラを第2次世界大戦のメタファーとして描く作品だ。英語の吹き替え版も用意されているとはいえ、日本語作品の評判が米国でこれほど口コミで広まっている事実には、驚かされる。同作では非常に優れたヒューマンドラマが展開され、登場するゴジラは最近の映画シリーズのような「人類を守るヒーロー」ではなく、破壊と殺戮を繰り返すモンスターという当初の姿で描かれている。あなたも本作を見ればきっと、核の力で巨大化したトカゲを恐れる気持ちを思い出せる。そして、同作を見ながら涙することになるだろう。冗談ではなく、それほど感動的なストーリーが展開されるのだ。
この映画がさらに多くの人の目に留まることを願いたい。すでに見た人は、他の人にも勧め続けてほしい。
(forbes.com 原文)