アマゾンは、すでに米国のテキサス州カレッジステーションやカリフォルニア州ロックフォードに加えてイタリアや英国でドローンによる配送を行っているが、年内にアリゾナ州フェニックス周辺にサービスを拡大する予定という。
アマゾンが最初にドローン配送のテスト開始許可をFAAから受けたのは約4年前で、現在の状況に至るまでには長い道のりがあった。しかし今では、同社の目標は2030年までに年間5億個の荷物をドローンで配送することだという。
「Prime Airの開発に着手した当初から、私たちのビジョンは変わっていない。それは、高度に自律的なドローンを使って、30分以内に、安全に、そして拡張性のある方法で顧客に荷物を届ける方法を作り出すことだ」とアマゾンは述べている。
このビジョンを実現するためには、新たなテクノロジーと新たな荷物の配送方法が必要になりそうだ。現時点でアマゾンのドローンは荷物を地面に投下しており、デリケートな商品や壊れやすい商品は運んでいない。
同社が使用するドローン、MK-27は重さが約36キログラムで、ダイニングテーブルほどの大きさだ。このドローンは、重さが約2.2キログラム以下の荷物を、靴箱程度の大きさの配送用コンテナに収めて時速約80キロメートルで飛行し、地上約3メートルの高度から投下する。
新型となるMK-30は、より軽量かつ小型で、航続距離も長く、悪天候下でも飛行できる性能を備えている。しかし、パッケージを配達するために着陸するのか、それとも投下を続けるのかについてはまだ明らかになっていない。
FAAからの新たな許可を受けて、アマゾンはテキサス州カレッジステーションでの現在の業務を「ただちに拡大する」と述べている。他の同社のドローンの拠点でも新たな飛行範囲が提供されるのか、また、ドローン配送がアマゾンのサービスエリア全体に拡大するのはいつになるのかは、まだ明らかになっていない。
ただし、ドローン配送をめぐる競争が激化していることは明らかだ。ウォルマートは昨年8月にアルファベット傘下のWing(ウィング)と提携し、ダラスでドローン宅配を拡大すると発表した。また、アイルランドのスタートアップでドローン配送事業を行うManna(マナ)も、母国で累計10万件以上の配送を行っており、米国と欧州の複数の地域にサービスを拡大すると発表した。
(forbes.com 原文)