経営・戦略

2024.06.03 15:00

eコマース市場は2028年までに1000兆円超え、求められる経営戦略

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米調査会社Forrester(フォレスター)がこのほど発表した見通しでは、世界のeコマースの売上は2023年の4兆4000億ドル(約692兆円)から2028年には6兆8000億ドル(約1069兆円)に成長すると予測されている。これは、オンライン販売が世界の小売の24%を占め、販売業者にとって不可欠なチャネルになることを意味する。ただ、それでも実店舗が優勢だ。2028年には28兆7000億ドル(約4513兆円)になると予想されている世界の小売売上高のうち、21兆9000億ドル(約3444兆円)は依然としてオフラインで行われると見込まれており、実店舗への投資は今後も重要であることを示唆している。

オンライン小売の売上高は、米国では2028年までに1兆6000億ドル(約251兆円)に達し、米国の小売売上高全体の28%を占めると予想されている。米国以外でのオンライン小売の売上高は、カナダで830億ドル(約13兆円)に、南米の上位6カ国(ブラジル、メキシコ、アルゼンチン、コロンビア、ペルー、チリ)は1920億ドル(約30兆円)になると見込まれている。

西欧では、2023年の5080億ドル(約79兆円)から2028年には7730億ドル(約121兆円)に拡大すると予想されている。「オンラインマーケットプレイスやソーシャルコマース、ライブコマース、D2Cが活発になり、世界のeコマースの売上成長は今後5年間にわたり加速する」とフォレスターの主席予測アナリストのジテンダー・ミグラニは話す。

若年層のニーズや行動の進化、シームレスでユニークな買い物体験への期待、ソーシャルコマースを含む新しい販売チャネルがもたらす競争の激化などにより、小売業は大きな変化を遂げつつある。米デパートのMacy’s(メイシーズ)のような老舗の小売企業の苦戦がよくニュースになる一方で、Ted Baker(テッド・ベーカー)の米国事業やOutdoor Voices(アウトドア・ヴォイス)、Rue21(ルー21)、The Body Shop(ザ・ボディショップ)など、多くの小売ブランドが破産を申し立てたり、店舗を閉鎖したりしている。UBSの報告書によると、米国では4万5000もの小売店舗が閉鎖される可能性があり、中でもアパレル・アクセサリー、家電、家庭用品の店舗が多い。
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翻訳=溝口慈子

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