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海外

2024.06.03 08:00

大学中退の19歳が130億円調達、米防衛テック業界の異様な過熱ぶり

マッハ・インダストリーズの創業者でCEOのイーサン・ソーントン

軍事テクノロジー企業Mach Industries(マッハ・インダストリーズ)の創業者でCEOのイーサン・ソーントンは、19歳という若さでセコイア・キャピタルやベッドロックなどの大手ベンチャーキャピタル(VC)から巨額の資金を調達した。

マサチューセッツ工科大学(MIT)を中退した彼が設立したスタートアップは、水素を活用する兵器を開発することで、軍が数世紀にわたって依存してきた火薬を過去のものにするというビジョンを投資家にアピールした。

セコイア・キャピタルのパートナーのショーン・マグワイアは、昨年夏にマッハが500万ドル(約7億8000万円)を調達したシードラウンドを主導したが、これはセコイアにとって初の防衛テック企業への出資っだった。その3カ月後、ベッドロックのマネージングパートナーのジェフ・ルイスは、7900万ドル(約123億円)のシリーズAラウンドを主導し、企業価値を3億ドル(約470億円)以上と評価した。マッハが、これまでに調達した資金は累計8400万ドル(約132億円)と推定される。

しかし、現在45人の従業員を抱えるマッハはその後、重大で致命的なトラブルに直面した。今から数カ月前、ソーントンと従業員たちは開発中の兵器のテスト中に死にかけたのだ。この件に詳しい4人の元従業員がフォーブスに語ったところによると、ソーントンが水素エネルギーを使った銃をテストしていたところ、予期せぬ爆発が起こり、金属の破片が部屋中に飛び散ったという。

ソーントンは奇跡的に無傷で済んだが、テストを手伝っていた社員は何百もの金属片を体中に浴びて救急搬送された。その社員の体内には、今でも複数の破片が残ったままという。

テキサス州オースティンで創業し、現在はカリフォルニア州ハンティントンビーチに拠点を置くマッハは、アンドリーセン・ホロウィッツなどの大手VCも注目する、愛国心あふれる若手起業家たちが米国の国防上の利益に貢献するビジネスを築くことを目指す防衛テック企業の群れ「グンド・ブラザーズ」の一員だ。近年、ベンチャーキャピタルの間ではこの分野への投資が活発化しており、ピッチブックによると、防衛セクターには2023年までの5年間で1000億ドル(約15兆7000億円)もの資金が注入された。
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編集=上田裕資

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