ファッション

2024.06.05 10:15

100点の傑作で100年を祝う 展覧会に見る「ダミアーニ」の精神

ダミアーニ100周年記念コレクション「ミモザ エターナルブルー」

新作コレクションは、そうした貴重な石を入手する力と受け継がれた技術、それらを駆使して美しいジュエリーに仕上げる創造力と情熱があってこそのクリエーションといえる。100点はすべて販売対象の商品でもあるが、「発表から1週間ほどで20点以上が売れた」と言い、4月上旬の時点では約3割が売約済みに。今後1年をかけて世界各地で展覧会や受注会がおこなわれ、約1年後に購入者の手元に届くのだという。

100周年、さらなる飛躍を目指して

現在ダミアーニは、創業者の孫世代の3人兄弟がビジネスを担っており、長男のグィド・グラッシ・ダミアーニがグループの代表取締役社長を務める。グィドは、1990年代末に家業を継ぐと初の店舗展開をスタートし、5000万ユーロに満たなかったグループの総売上高を1億8000万ユーロ超へと押し上げた成長の立役者。従業員数も200名から700名へと増やしながら売上は好調に推移し、2022年3月期決算では3億ユーロを計上した。
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4月、時計の見本市期間のジュネーブで取材に応じたグィドは、「独自路線で成功してきました。ファミリービジネスには良い面・悪い面の両面がありますが、3年や5年の単位で経営者や方針が変わらないのが大きな特徴です。事業はすべて、今日でも明日でもなく、次の世代を見据えて動いています」とビジネスを俯瞰。加えて、次のように展望を語った。

「100周年にあたって、女優のジェシカ・チャスティンを、グローバルアンバサダーに起用。夏から新しいキャンペーンを展開していきます。また、世界的に好調ななか、既存店舗も注視しつつ、新規開業にも積極的で今年だけでも20店以上のオープンを計画しています。グループブランドである『サルヴィー二(Salvini)』もアジアに進出予定です」
3月14日にミラノで開催された100周年ガラには、ダミアーニ家メンバーや各国のアンバサダーが集まり華やかな一夜となった。
3月14日にミラノで開催された100周年ガラには、ダミアーニ家メンバーや各国から著名人が集まり華やかな一夜となった。

文=鈴木 奈央

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