仕事量もオフィスの雰囲気も緩くなり始めるため、最新のトレンドである、仕事をしているふりをする「静かな休暇(Quiet Vacationing)」を取っても問題ないと思う人もいるかもしれない。
米世論調査会社ハリス・ポールがこのほど行った調査で、ミレニアル世代の労働者の40%近くが上司に分からないように仕事を休んだことがあると答えた。
回答者たちは、残業して期待されていること以上の仕事をしているという印象を維持するために、定期的にパソコンのマウスを動かして仕事をしているふうに見せたり、通常の勤務時間外にメッセージを予約送信したりするなどの小細工をしていることを認めている。
「仕事してる感」を装う理由
ハリス・ポールの調査では、社風のために従業員が有給休暇を取りづらいことが明らかになった。米国の労働者の76%が、休暇取得の価値を雇用主にもっと重視してほしいと回答。80%近くが有給休暇を使い切っておらず、その最大の理由として「常に対応可能な状態でなければならないというプレッシャー」を挙げている。ミレニアル世代とZ世代は、上司の反応や、休暇の取得が昇給や昇進など今後のキャリアに及ぼす影響を懸念している。
49%が有給休暇を申請するときにプレッシャーを感じ、そのため上司に嘘をつくようになったと答えた。
信頼関係に影響も
仕事で燃え尽きたり、過小評価されていると感じている人の目には、静かな休暇は魅力的に映るかもしれない。ひっそりと充電し、集中力と生産性を高めて仕事に戻れる可能性があるからだ。あるいは、不健全な労働文化に対する従業員の正当な反応と考える人もいるかもしれない。「静かな退職」、月曜日には必要最低限の仕事しかしない「ベア・ミニマム・マンデー」、TikTokに影響されたその他の職場のトレンドと同様に、静かな休暇は 「私たち vs 彼ら 」という心理と対抗意識を強める。労働者はまるで自分が優位な立場を取り戻しているかのような錯覚に陥る。だが、この受動的かつ攻撃的な行動で得をする人は誰もいない。