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『Stellar Blade』、4月の米国ゲーム売上で首位 異例のヒット作に

(c)SHIFT UP

2024年4月の米国ゲーム売り上げランキングが発表され、韓国SHIFT UPのPlayStation 5向け新作『Stellar Blade』が1位となった。例年と比べると全体的には振るわない月だったが、『Stellar Blade』の売り上げは『HELLDIVERS 2』や『Call of Duty Modern Warfare 3』、そしてPlayStation版の発売やアマゾンの実写ドラマによって人気が再燃している『Sea of Thieves』や『Fallout 4』を上回った。

調査会社サカーナが発表したランキングは、パッケージ版とデジタル版両方の売り上げを総計したものだが、表示されているのは順位のみで、実際の販売本数はわからない。ただSHIFT UPは、『Stellar Blade』の売れ行きは予想を上回っており、続編の開発を検討していると述べている。

『Stellar Blade』のヒットが特に注目に値する理由としては、現代のゲーム業界で通常「売れる」とされるソフトとは違い、以下のような特徴があったことがある。

・続編やリメイクではない
・人気IP(スター・ウォーズ、マーベル、ハリー・ポッターなど)をベースとしていない
・AAA級ゲームの開発経験がないスタジオが製作した
・シングルプレイ専用タイトルであり、マルチプレイ要素は一切ない
・マイクロトランザクションもなければシーズンパスもなく、各種コスチュームはゲームプレイを通じて獲得できる

端的に言えば、『Stellar Blade』は現在のゲーム大手ほぼ全社が避けているようなゲームだ。大手各社は、人気が確立したIPをベースとした無難なゲームを開発し、ゲーム内課金の収入を増やすために無料でプレイできる要素を減らしたり、永遠にサービスを継続することを目指した「ライブ」ゲームを作ったりしている。

しかしSHIFT UPはまだ若い会社であり、AAAタイトルは『Stellar Blade』が初めてであったため、そのような重荷や期待が一切なく、「昔ながらの」ゲームを開発できたのだ。こうしたゲームは最近では非常に珍しくなったが、出来が良いものが発売されれば、プレイヤーから高い評価を受け、『Stellar Blade』のような売り上げにつながる。

『Stellar Blade』の成功を受けて、SHIFT UPは続編開発に意欲を示しているほか、現在のゲームにフォトモードや追加コスチュームなどのコンテンツを拡充すると表明。また、先週追加されたばかりの「ボスチャレンジ」のような戦闘モードをさらに追加する可能性もあるとしている。同作を10点満点で「素晴らしい8点」と評価する声も聞こえるが、私も同感だ。実際、自身のレビューでは10点満点中8点をつけていた。今年プレイした新作の中でも特にお気に入りのゲームでもある。そう思っているのは、私だけではないようだ。

今の売れ行きが長期的に続くかどうかに注目したい。2024年は2023年ほど多くの大作はリリースされない見通しであることから、より多くのプレイヤーが『Stellar Blade』を手にし、堅調な売り上げが続く可能性もある。同作はPS5独占タイトルであり、従来の人気シリーズではないものが大ヒットしたことから、これはソニーにとっても勝利となった。スタジオ各社がゲーム大手に次々と買収されている中、SHIFT UPも同じ運命をたどるのかが気になるところだ。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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