プラスチックのリサイクルには3種類ある。ひとつは、たとえばペットボトルのように、粉砕して再びペットボトルに加工するマテリアルリサイクル。2つめは、燃やしてその熱を発電などに利用するサーマルリサイクル。実際にはリサイクルではなく熱の回収なのでサーマルリカバリーとも呼ばれる。じつは日本では約6割がこれだ。そして、廃プラスチックを原料である化学物質にまで分解して再利用するケミカルリサイクルだ。
お察しのとおり、ケミカルリサイクルがいちばん利用価値が高い。あれこれ入り交じった雑多な廃プラスチックでも、純粋な素材だけを取り出すことができるからだ。半面、技術的に困難でエネルギーやコストがかかる。通常は大きな工場で化石燃料を使って熱処理するため、大量の廃プラスチックをそこへ運ぶためのコストや二酸化炭素排出量も多くなるというデメリットがある。
なかでも大きな特徴が、装置が非常にコンパクトにできるため、廃プラスチックが出る各現場に設置して、その場で処理が行えることだ。それによりケミカルリサイクルが大幅に効率化される。同社は、実証機での試験を重ねると同時に、こうした小型装置を使った分散型のケミカルリサイクルのネットワーク化を「Spider」事業と名付け、大型集中型と組み合わせて推進していくという考えだ。
プレスリリース