また、経営幹部を企業に紹介するエグゼクティブサーチ大手の米ハイドリック&ストラグルズの調査によると、AI部門トップの65%が現職の在任期間は5年未満と回答している。回答者が統括する業務はデータサイエンスやエンジニアリング、機械学習などさまざまだ。
CAIO職の存在は、各種業界でAIが極めて重要な存在と化していることを示しているだけでなく、企業がAI戦略の最適化と社内でのイノベーションの育成に注力していることをうかがわせる。そしてCAIOを置く傾向は、企業の全体的な事業戦略へのAI技術の統合が進んでいることを示しており、AIが事業運営上、重要な役割を果たしていることを明確にしている。
GEヘルスケアやユナイテッドヘルス・グループ、デロイト、メイヨー・クリニック、デル・テクノロジーズ、インテル・コーポレーション、IBMオートメーションなど、各分野の名だたる企業がCAIOを置いている。
CAIOの給与
企業はこぞって生成AIをはじめテクノロジーを活用したイノベーションを採用しており、CAIOはその戦略と実行においてかつてなく重要な存在となりつつある。報酬パッケージにもその職務の重要性が反映されている。ハイドリック&ストラグルズの調査で、米国におけるデータ分析・AI部門トップの2023年の平均報酬総額は株式付与(年換算)を含めて113万4000ドル(約1億7800万円)だったことが明らかになった。最も高い報酬は260万ドル(約4億円)に上った。
基本報酬は金融サービス業界が最も高く、報酬総額は付与される株式や長期インセンティブの増加によりテック業界が最も高かった。