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2024.05.30 11:30

イーロン・マスクが「世界一の大富豪」に返り咲き、xAIの評価額上昇で

Photo by Apu Gomes/Getty Images

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イーロン・マスクが率いる人工知能(AI)企業のxAI(エックスエーアイ)は米国時間5月26日、同社の評価額を240億ドル(約3兆8000億円)とするシリーズBラウンドで60億ドル(約9400億円)調達したと発表した。これを受け、マスクの保有資産は、仏LVMH会長のベルナール・アルノーを上回り、彼は世界一の富豪の座に返り咲いた。
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フォーブスは、28日の株式市場の終了時のマスクの保有資産が、2位のアルノーの資産の2043億ドル(約32兆円)を52億ドル上回る2095億ドル(約33兆円)に達したと推定している。アマゾン創業者のジェフ・ベゾスは、ここ数カ月間マスクと2位を争っていたが、現在の彼の資産は2000億ドル(約31兆4000億円)で3位となっている。

マスクは昨年7月、ChatGPTの開発元のOpenAIを競合に見据え、独自のチャットボットであるGrok(グロック)などを開発するxAIを立ち上げた。彼は、サム・アルトマンらとともに2015年にOpenAIを共同創業したが、その後は、同社を離れて敵対心を燃やすようになり、ChatGPTがWoke(ウォーク)と呼ばれる社会的正義を重視するエリート主義に傾いていると非難した。さらに、今年3月にはOpenAIを提訴し、同社の利益追求の姿勢が、「人類のためになるオープンソースのAIを開発する」という本来の使命を忘れていると主張した。

26日のプレスリリースでxAIは、Grokのオープンソース版のリリースをアピールした。マスクはその翌日のX(旧ツイッター)の投稿で、「あなたが世間の人気や政治的正しさに囚われず、宇宙を理解するという我々の使命を信じるのなら、xAIに参加しよう」と社外のエンジニアに呼びかけた。
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マスクはxAIの株式の60%を所有しており、今回の調達でその持ち株の時価評価額は144億ドル(約2兆2000億円)に達したとフォーブスは推定している。この調達は、マスクによる440億ドル(約6兆9000億円)でのツイッター(その後、Xに改称)の買収を支援した投資家グループの主導によるもので、アンドリーセン・ホロウィッツやセコイア・キャピタル、アル=ワリード・ビン・タラール王子らが参加した。

マスクの他の資産は、テスラ株の約12%(オプションを除く)とスペースX株の約42%で占められており、28日の市場の終値でそれぞれ約750億ドル(約11兆8000億円)相当と推定できる。フォーブスはまた、マスクが所有するX株の74%の評価額を約70億ドル(約1兆1000億円)と見積もっている。Xの推定評価額は、2022年の買収当時から70%近く下落している。

マスクの保有資産は、テスラ株の値動きによって上下するため、彼はここ最近、世界の富豪ランキングの1位と2位を行ったり来たりしている。アルノーが最近マスクを追い抜いたのは、1月下旬にデラウェア州の判事が、2018年にマスクに付与されたテスラのストックオプション約560億ドル(約8兆8000億円)を無効と判断した時のことだった。

テスラの株主は、このストックオプションの再承認について、6月13日に投票することになっている。一方、スペースXは、自社の評価額を昨年12月の1800億ドル(約28兆円)から2000億ドル(約31兆円)程度に引き上げて、従業員や投資家への株式売却を検討していると報じられている。そのため、アルノーが世界一の富豪であった時代はすでに過ぎたとも見られている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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