同サイトは、安全性と政府監査に加え、機体年齢や乗客の評価、収益性、安全性評価、サービス評価、革新性、機体発注状況など、12の主な要素を総合して世界の航空会社を格付けしている。
2024年のランキングで1位に輝いたのはカタール航空で、優れたサービスと革新性が評価された。前年の覇者はニュージーランド航空だった。2位以下は大韓航空、キャセイパシフィック航空、ニュージーランド航空、エミレーツ航空が続いた。
エアラインレーティングのジェフリー・トーマス編集長は「当社の客観的な分析では、カタール航空が多くの評価基準で1位となったが、上位5社については激戦だった」と説明。カタール航空は、ビジネスクラスとエコノミークラスの乗客から非常に高い評価を得たという。
同サイトは総合ランキングに加え、さまざまなカテゴリーで航空会社を表彰した。カタール航空は5年連続でビジネスクラス最優秀賞に選ばれ、ケータリング最優秀賞も獲得した。そのほか、ニュージーランド航空(エコノミークラス最優秀賞)、シンガポール航空(ファーストクラス最優秀賞)、ヴァージン・オーストラリア航空(客室乗務員最優秀賞)、エミレーツ航空(機内エンターテイメント最優秀賞、プレミアムエコノミー最優秀賞)、カンタス航空(ラウンジ最優秀賞)、エティハド航空(環境最優秀賞)などが受賞した。
他方で、ジェットブルー航空が16位、ハワイアン航空が17位、アラスカ航空が18位と、米国の航空会社の成績は振るわなかった。米国の大手航空会社に目を向けると、デルタ航空が23位、ユナイテッド航空が24位、アメリカン航空が25位と最下位だった。トーマス編集長は、米国の大手航空会社は機材の老朽化が激しく、乗客からの評判が非常に悪いため、今年も引き続き低迷していたと指摘した。
同サイトは格安航空会社(LCC)も地域別に格付けした。米州ではサウスウエスト航空、中東ではフライドバイ、アジアではエアアジア、大洋州ではジェットスター、欧州ではイージージェットがそれぞれ1位に選ばれた。
最近は特に米航空機大手ボーイング製の機材の不具合やシンガポール航空の乱気流事故など、安全性に関する問題に注目が集まっているが、トーマス編集長は、これらは今年のランキングには影響しなかったとした上で、次のように述べた。「これは航空会社の格付けであるため、ボーイング製機材を巡る世評は結果に影響しなかった。だが、欧州航空機大手エアバス製の機材による事故もボーイング機と同様に発生しており、ボーイング機を巡る報道の多くは正しくないことに留意すべきだ。シンガポール航空の乱気流事故は、原因がまだ分かっていないため(今回の格付けには)考慮されなかった」