ライフスタイル

2024.06.08 15:00

デキャンタに刻まれた門出の日と仲間の思い

代表取締役CEO就任日が刻印されたバカラのウイスキーデキャンタ

贈り、贈られたモノや体験は、人生を変えるほどの力を持つことがある。企業のトップ、リーダーたちが経験した、モノや体験に介在する特別な思い入れを紹介する。自身の生き方、サクセスストーリーにも影響を及ぼしたであろう「GIFT」の逸話には人間味あふれる姿がある。希薄化も言われる現代の人間関係とは異なる、特別な関係だ。


THE GIFT #12

猿渡 歩

アンカー・ジャパン株式会社 代表取締役CEO
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代表取締役CEO就任日が刻印されたバカラのウイスキーデキャンタ。
ラウンドカットが優美な輝きを放つ。
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私がAnkerグループに入社したのは10年前。当時まだ日本ではほぼ無名の存在で、手狭なオフィスに従業員は数人。日本法人の事業部門の立ち上げ責任者ながら、あらゆる事務作業も自分でこなさなければならない状況だった。今までの私には無縁の業界で、ゼロからのスタート。だが、Ankerグループ創業メンバーの人間性、そして何より製品に魅力を感じ、勝ち筋を見出せたからこそ、2022年には売上350億円を突破するまで成長することができた。
 
バカラのウイスキーデキャンタは、そんな苦労を知る当時のマネジャー陣から代表取締役CEOの就任を祝って贈られたものだ。就任日の刻印を入れてくれたことに加え、私がウイスキーを自宅でよく飲むことを知った上で贈ってくれたことが、何より嬉しかった。

今でも自宅のウイスキーコーナーには、このデキャンタを飾っている。写真に撮って、自分のスマホのロック画面にも設定している。1日の終わりに、門出の日が刻まれたこのデキャンタを目にするたび、「まだまだこれから、会社のメンバーと高い目標を目指して頑張ろう」という思いが湧いてくるのだ。


えんど・あゆむ◎コンサルティングファーム、PEファンドを経て、アンカー・ジャパンの事業部門創設より参画。現アンカー・ジャパン代表取締役CEOおよびアンカー・ストア代表取締役CEO。多くのEC / D2C運営企業の顧問も務める。著書に『1位思考』(ダイヤモンド社)。

文=伊藤美玲 イラスト=東海林巨樹

この記事は 「Forbes JAPAN 2024年6月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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