Blutooth接続で転送できるように圧縮された音楽ではなく、高音質のオーディオを聴くことができないのが寂しいのだ。残念なことに、私たちが長く親しんできた3.5mmの音声出力ジャックを、今やほとんどのスマートフォンのブランドが廃止してしまった。ジャックの装備をやめる理由は、スマートフォンの防水性能を高めるためだ。
もし、あなたが今も有線イヤホンを切望する人の1人ならば、ありがたいことに解決する手段がある。英国のヘッドホンブランド、SoundMAGICの「E80D」は常識的な価格の優れたイヤホンで、USB-Cコネクターを装備しているため、Androidスマートフォンやタブレット、MacOSまたはWindows搭載のコンピュータと直接接続できる。
有線イヤホンを使っていれば、ワイヤレスイヤホンのように充電のし忘れを心配することもない。そして何よりも、美しい音楽から生命を搾り取る残酷な圧縮がない。音を大事に思うなら、Bluetoothが必ずしも最善ではない。それは便利だが、制限がある。
SoundMAGIC E80D(Dはデジタルを表す)は、しばらく前から出回っていた製品だが、最近アップデートされた。その余裕ある1.2mのケーブルは、スマートフォンで使用するのに最適であり、バスに乗り遅れないように走っている時に引っ掛けてしまうほど長くはない。
重量はわずか16gと、ワイヤレスイヤホン1組と比べても重いわけではない。サイズが異なる3組のシリコン製イヤーチップと、遮音性に優れた1組のダブルフランジ型イヤーチップも付属する。さらにパッケージには、イヤホンを使っていない時に収納できる、美しく縫製されたジッパー付きケースも同梱されている。
SoundMAGIC E80Dのケーブルには便利なリモコンも付属しており、スマートフォン本体に触れなくても音量調整や曲の再生、一時停止、スキップが可能なマルチファンクションボタンが備わる。このリモコン部分にはマイクも内蔵されているので、電話をかけたり受けたり、Zoomミーティングに参加することもできる。また、リモコンで制御できるということは、スマートフォンをポケットやバッグの中にしまったままにしておけるということだ。スマートフォンをひったくられる事件が多発している昨今には重宝するだろう。
この小さなリモコン部分には、スマートフォンから信号を受け取り音声ファイルをアナログ信号にデコードして増幅するDACチップも内蔵されている。このDACチップは、最大24ビット/96kHzの音声ストリーミングに対応しているので、TIDAL(タイダル)のようなハイレゾ配信サービスの楽曲を最高音質で聴くことができる。これはBluetooth接続のイヤホンでは不可能なことだ(ただし今のところ、TIDALは日本では利用不可)。