自動車用カーボンニュートラル燃料、トヨタなど4社が共同検討へ

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既存のガソリンエンジン車に使えるカーボンニュートラルな燃料「CN燃料」の導入と普及に向けて、出光興産、ENEOS、トヨタ自動車、三菱重工業の4社が、導入シナリオや必要な制度などの検討を共同で進めることになった。自動車産業のCN化へのアプローチは各社ともに異なるが、この共同検討では4社が連携して「日本の自動車市場におけるCN燃料の導入シナリオやロードマップ、市場導入に必要となりうる諸制度について議論、検討」を行い、「日本におけるエネルギーセキュリティーなどの観点から、製造の実現可能性を調査」するとしている。

ちなみにCN燃料は、現在、2つの大きな系統がある。二酸化炭素とグリーン水素で作る合成燃料(e-fuel)と、植物由来のバイオ燃料だ。どちらも二酸化炭素排出量が実質ゼロのものをCN燃料と呼ぶ。そのうち、貯蔵や輸送にも便利な液体のものが自動車の燃料に適している。

合成燃料、バイオ燃料ともに各社それぞれの得意分野を活かした取り組みを行っているが、出光興産は、地球にやさしい「一歩先のエネルギー」の社会実装を目標のひとつに掲げた2050年ビジョンにもとづき、国内の企業と連携して合成燃料やバイオ燃料などの早期導入と普及を目指している。

ENEOSは、「エネルギー・素材の安定供給」と「CN社会の実現」の両立を目指し、水素や再生可能エネルギー活用のための取り組みを行っている。

トヨタ自動車は、EVと並行してエンジン車のCO2削減にも取り組んでいる。2007年にはブラジルで、バイオ燃料と混合燃料で走る「フレックス燃料車」を導入するなど、CN燃料に対応したエンジンの開発を検討するとしている。

三菱重工業は、2040年までにCNを達成する「MISSION NET ZERO」を宣言し、CO2エコシステム、水素エコシステムの構築に取り組んでいる。同グループの技術や製品を活かし、世界中のパートナーとのイノベーションによりCN社会を実現するとのことだ。

これらの取り組みが連携することで、CN燃料普及の加速が期待される。EVが高くて買えず古いガソリン車を大事に乗ってる派にとって、CN燃料はじつに待ち遠しい。2030年とは言わず、できるだけ前倒ししてほしいところだ。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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