それによると、今回の試験は朝定食3種類を食べる人と朝定食の半分程度のタンパク質量で熱量が同程度のパン食を食べる人に分けて8週間ランダム化クロスオーバー試験を実施。認知機能試験、NIRSによる脳活動計測、自律神経活動計測、およびアンケートによる主観評価を行った。
その結果、朝定食を食べた人のほうが、認知課題実施時の脳血流量が統計的有意に増加し、脳活動が活性化することを確認したとのこと。脳血流変化量(RVIP認知課題実施時)の比較でも脳の前頭葉にある背外側前頭前野の脳血流が増加しており、脳活動が活性化されていることがわかる。
また、摂取後の心拍数も朝定食のほうがパン食よりも、より上昇していることもわかった。朝食摂取介入時に心拍数が増加するのは、自律神経における交感神経が優位になることを示し、脳を含む身体の臓器の働きが活発になることを示しているとのこと。これらのことから、朝定食のほうがパン食よりも脳の活性化をより促すとしている。
脳が働くためにはブドウ糖をエネルギー源としているが、脳内にはエネルギーを保管する場所はなく、脳を働かせるためには常にブドウ糖の供給が必要だ。そのとき、パンよりも米のごはんほうが「グリセミック・インデックス(GI)」という数値が低く、血液中の血糖値の変動が少なくなり、脳へ効率よく栄養が回る。脳を働かせるには、ごはんのほうが有利というわけだ。
ただ、ブドウ糖だけでなく、豚肉などに多く含まれるビタミンB1はブドウ糖をエネルギーに変換するのに必要な栄養素で、ビタミンB1の分解を防ぎ吸収をよくするアリシン(にんにく、ねぎ、ニラなどに含まれる)、必須アミノ酸であるリジン(納豆、味噌、豆腐など豆類、卵黄に含まれる)もブドウ糖代謝の促進に有効で、同時に摂るのがおすすめ。
米離れが叫ばれているが、朝定食はその辺のバランスも図られているとのことで、朝はごはん派の人も、味噌汁、主菜、副菜もしっかり摂ることで、脳の活性化を図ると、朝から仕事や勉強に集中できるのてはないだろうか。
出典:吉野家「吉野家の朝定食はパン食に比べ脳活動を活性化する」より