第1四半期の売上高は前年同期比3倍以上の約260億ドル(約4兆円)、純利益は7倍以上の149億ドル(約2兆3000億円)だった。また、同社は6月7日から株式を10対1に分割すると発表した。そうした発表を受け、株価は上昇し、米国時間5月24日の終値ベースで1000ドルの大台を突破している。
GPUの需要拡大続く
エヌビディアのデータセンター部門(主にアクセラレーテッド・コンピューティング向けのチップの販売で構成)の売上高は226億ドル(約3兆5000億円)で、2024年度第4四半期から23%増、前年同期から427%増となった。調整後の粗利益率も78.9%と堅調で、前年同期の67%から改善した。この勢いは今後も続くと予想される。企業は、より多くの計算を実現するため、従来型のデータセンターをアクセラレーテッド・コンピューティングに適したものにシフトしようとしている。さらに、OpenAIなどが発表した初期のAIモデルは主にテキストベースだったが、そうしたAIモデルが音声、画像、ビデオ、3Dを扱うマルチモーダルなモデルへと進化したため、現在ではより高い計算能力と、より多くのGPUが求められている。エヌビディアのアクセラレーテッド・コンピューティング・チップは、現時点で、競合のAMDやアルファベットを性能面で大きく引き離している。さらに、同社はプログラミング言語やソフトウェアなど、AIツールの周辺にエコシステムを構築しており、これが同社の売上増と顧客囲い込みに貢献している。
エヌビディアによる来期予想も好調で、2025年度第2四半期の売上高は約280億ドル(約4兆3000億円)と、市場の事前予想を上回り、前年同期比で約2倍となる見通しだ。エヌビディア製チップ、H100の供給は改善されつつあるが(推定される待ち時間はわずか数週間で、以前の1年以上から短縮された)、同社によると、より新型のH200と、次世代GPUアーキテクチャであるBlackwellを採用したチップの需要は供給可能な量をはるかに上回っており、来年にかけて供給にかなりの遅れが出るようだ。