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2024.05.28 10:00

【米国株ウォッチ】エヌビディアの上昇はどこまで続く? 今後の見通しを分析

株式分割の影響は?

株式分割の発表により、NVDAは短期的に上昇する可能性がある。分割は企業のファンダメンタルズを変えるものではないが、発表後に株価が上昇することはよくあることだ。また、このような銘柄は2つの理由でアウトパフォームする傾向がある。第一に、株式が小口投資家にとってより身近なものとなり、株式に対する需要が高まる。第二に、経営陣が会社の将来性に自信を持っており、今後も力強い成長が期待できることを示しているからだ。

NVDAは、米国時間5月24日の終値で1064.69ドル、予想利益ベースのPER(株価収益率)は62.30倍となっている。エヌビディアの急成長を考えれば、この倍率は決して不合理なものではないが、リスクもある。第一に、大規模言語モデルの初期トレーニング段階が一巡し、現在見られるような旺盛なGPU需要が緩和される可能性がある。トレーニングが終わり、これらのモデルを利用するという段階では、低消費電力性やオンデバイスといったものに関心がシフトする可能性があり、GPUの需要拡大が減少する可能性もある。

さらに、現在のエヌビディアの株価を見ると、市場は同社がAIチップ市場を手中に入れるだろうと考えているように見えるが、そうならない可能性もある。AMDのような競合は、リスクは承知の上で、この分野でキャッチアップするために巨額な投資を行っている。さらに、グーグル、マイクロソフト、アマゾンなどの大手テック企業も、独自のAIや機械学習関連の半導体の開発に力を注いでいる。こうした大手ハイテク企業は依然としてエヌビディアの最大顧客であるため、そのことはエヌビディアにリスクをもたらす可能性がある。

私たちは、NVDAの目標株価を現在の市場価格より約20%低い1株当たり892ドルと設定している。

forbes.com原文

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