地球の生物圏は存続できるか?
アンバーによると、地球の生物圏は大きな打撃を受けながらも存続するだろう。放射性降下物の影響を別にすれば、核戦争は約6600万年前のK-Pg天体衝突ほど深刻にはならないだろうと、アンバーは続ける。世界規模の核の応酬によって生じる放射性降下物については、不明な点が多いため、その影響を正確に評価するのは困難だという。だが、多くの動物が生き残ると思われ、進化が「リセット」されて微生物に戻ることはない可能性が高いと、アンバーは述べている。核兵器によるハルマゲドンは、巨大な小惑星や彗星の衝突、太陽系の近くで発生したガンマ線バーストや超新星爆発など、地球を襲った「惑星キラー(多大な脅威を及ぼす自然現象)」と比べてどうだろうか。
リーバーマンによると、過去に大量絶滅が起こるたびに、多様性が以前のレベルに達し、生態系が絶滅前の複雑性のレベルに戻るのに少なくとも1000万~2000万年を要したものの、生物はやがて復活した。
だとしても、世界規模の核戦争による大量殺戮は当初、生物多様性の著しい損失を引き起こすと考えられる。陸生の動植物種の約70~95%、海生種の約25~50%が絶滅するだろうと、リーバーマンは説明している。
ここで覚えておくべきは、地球の運命が急変する可能性があることだ。
さらには、人類が築き上げてきた世界の文化的遺産も、瞬く間に消し去られる恐れがある。これは、人類が現在直面している現実なのだ。
もし人類が自らで自らを絶滅させた場合、生き残った動物種の中に、人類の代わりを務められるように進化する動物がいるだろうか。
電波望遠鏡の建造のようなことをする、別の知的生物種が現れるかどうかは、まだわからないと、アンバーは答えている。そのような動物種が進化するのがどれほど容易かや、この進化を起こすために、どれだけのことが「良い方向に」向かう必要があるかについては不明だと、アンバーは続けた。
結論は?
技術文明の出現と拡大は、人類の高い知能だけでなく、手の構造にも由来する独特の成果だと、リーバーマンは指摘する。人類の手のおかげで、道具の製作と利用に加えて、農業の導入が可能になった。人類がこの最後の段階に進むのに10万年以上かかったという。それから数千年を経てようやく、科学技術が実際に普及し始めたと、リーバーマンは述べている。(forbes.com 原文)