政治

2024.05.27 15:30

投資会社ブラックストーンCEOがトランプ支持を表明、資金集めに好影響か

Steve Schwarzman(Photo by Mark Wilson/Getty Images)

Steve Schwarzman(Photo by Mark Wilson/Getty Images)

米投資会社ブラックストーンのスティーブン・シュワルツマンCEOは米国時間5月24日、11月の大統領選でドナルド・トランプ前大統領を支持すると表明した。この動きは、トランプの選挙戦にとって追い風となる可能性がある。
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シュワルツマンは、ニュースサイトのアクシオスとブルームバーグに寄せた声明の中で、現状の米国の経済や移民、外交政策は「国を間違った方向へ導いている」とし、そうした理由からトランプを大統領選で支持するつもりだと語った。

彼はまた、「反ユダヤ主義の劇的な台頭」によって、今度の選挙がどのような結果をもたらすか、一段と急を要する問題として注目するようになったと述べている。

シュワルツマンは、トランプの大口献金者であり、2020年にはトランプ関連のスーパーPAC(特別政治活動委員会)に300万ドル(約4億7000億円)を献金していた。
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彼は、2022年11月時点では共和党の「新世代のリーダー」を求めるとして、トランプを支持しない考えを示していたが、その考えを撤回したことになる。

その他のトランプ支援者としては、カジノ王のスティーブ・ウィンとフィル・ラフィン、パイプライン大手のエナジー・トランスファー共同創業者であるケルシー・ウォーレン、不動産で巨額の富を築いたジェフリー・パーマー、TDアメリトレード創業者のJ・ジョー・リケッツ、マーベル・エンターテインメント元CEOのアイザック・パルムッターらが挙げられる。

フォーブスは、世界38位の富豪であるシュワルツマンの保有資産を383億ドル(約6兆円)と推定している。

シュワルツマンはかつて、トランプ政権でビジネス政策と貿易に関するアドバイザーを務めており、政治ニュースサイトのポリティコは、彼がトランプのアドバイザーとして、中国関連の政策で自社に利益をもたらす助言をすることもあったと報じていた。ニューヨーク・タイムズ紙は、シュワルツマンが世界の指導者たちへのアクセスを確保することで、ブラックストーンが少なくとも1件の投資を獲得したと報じていた。

しかし彼は2020年には、トランプ以外の共和党の候補者を支持すると発表し、アクシオスに対し、米国にとって好ましいのは、新世代のリーダーを持つことだと述べていた。

今後の注目ポイントは、シュワルツマンの支援がトランプの資金集めにどう影響するかだ。共和党全国委員会とトランプ陣営は先月、3月の資金調達額が6560万ドル(約102億円)を超えたと発表した。そして4月にトランプ陣営と共和党は、この選挙戦で初めてバイデン大統領と民主党を上回る資金を集めていた。

トランプは一連の民事・刑事裁判に直面しており、親トランプ派による支出の多くは訴訟費用に充てられている。トランプの政治団体であるセーブ・アメリカは、2023年から今年4月までに総支出の約3分の2にあたる5150万ドル(約80億円)を弁護士費用に使ったと報告している。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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