2000年代初頭 石炭が中心
21世紀初頭、米国の発電の主な燃料は石炭だった。当時は石炭が全米の火力発電所で広く使用されており、2000年の石炭消費量は2京2600兆BTU(英国熱量単位)に上った。これは主に、同国では石炭が豊富で比較的安価だったためだ。天然ガスの消費量も2京3300兆BTUと多かったが、主な用途は暖房と工業だった。だが、天然ガスはその後間もなく発電用燃料として急成長を遂げることになる。水力、風力、太陽光、バイオマスを含む再生可能エネルギーの消費量は5700兆BTUと控えめだった。
2000年代中盤 天然ガスの台頭
2000年代半ばになると、水圧破砕法と水平掘削技術の進歩によって膨大な量のシェールガスが掘り出され、天然ガスの消費量が著しく増加。2005年までに2京2700兆BTUに達した。石炭消費量は比較的安定しており、2000年代半ばにピークに達した後は徐々に減少に転じた。再生可能エネルギーが伸び始めたのは、主に風力と太陽光発電への投資が増加したためだ。
2000年代終盤~2010年代初頭 環境に優しいエネルギーへの移行
2000年代後半から2010年代前半にかけて、より環境に優しいエネルギー源へと大きく移行した。この時期に環境規制が強化され、天然ガスの経済的優位性が増したため、石炭消費量は急速に減少し、2010年には2京800兆BTUまで落ち込んだ。一方、石炭より二酸化炭素排出量が少なく、費用対効果が高いことから、天然ガスの消費量は2010年に2京4700兆BTUに達した。再生可能エネルギーも増加の一途をたどり、2010年には7600兆BTUに達した。連邦政府や州政府の奨励策、技術の進歩、費用の低下などが拍車を掛けた。