米ドルは現在、多くの外国通貨と比較して強くなっており、米国人にとっては海外旅行が格安になっている。米国人が「お買い得な」海外旅行を楽しむには、現地通貨に対してドルが強い旅行先を選ぶのが得策だ。そうすれば、ホテルや食事、娯楽といった現地での費用が自動的に割引になるからだ。
今、アジアの国の多くが財布に優しくなっている。タイのバンコクやプーケットは、あなたの行きたい旅行先リストに入っているだろうか? 1年前と比べ、同じ額のドルでタイの通貨バーツを8.5%多く買うことができる。ドルはそのほかにも、ベトナムとインドネシアの通貨に対して8.5%、マレーシアの通貨に対して6.2%、台湾の通貨に対して5%強くなっている。だが、好調な米経済の影響を最も強く受けているアジアの通貨は、断然日本円だ。ドルの対円為替相場は現在、1年前より15%、5年前より43%も高くなっている。
円安のおかげで、米国人にとって日本はアジアで最も人気のある旅行先となった。日本政府観光局(JNTO)によると、訪日外国人旅行者数が今年3月、史上初めて単月で300万人を超えた。新型コロナウイルス流行前の2019年3月との比較では11.6%増、前年同月比では実に69.5%増となる。その大半は近隣のアジア諸国からの旅行者だが、米国人旅行者にもこの情報が広まりつつある。3月には単月で過去最高となる29万100人の米国人が日本を訪れたが、これは前年同月比で42%増、2019年同月比で64%増だった。
当然のことながら、安い円のおかげで外国人観光客の財布のひもは緩くなっている。JNTOによると、1~3月期の訪日外国人旅行者の消費額は1兆7500億円に上り、2019年と比較すると52%も増加した。