重量37t、乗員4人のT-62戦車をベースにしたある亀戦車は、4月上旬にウクライナ東部の戦場に初めて出現したこの新種の改造車両のなかでも、最も進化したものだったかもしれない。
ロシア軍の第20親衛自動車化狙撃師団に所属しているとされるこの亀戦車は、ドネツク市のすぐ西の廃墟化した都市マリンカの周辺に出没し、地雷除去任務で活躍してきた。甲羅のような追加装甲が功を奏し、ロシアのある軍事ブロガーによると「10発の直撃」を生き延びたこともあった。
⚡️🇷🇺 "Our T-62 with a mine detector from the 20th Guards Motor Rifle Division clears the way for armored vehicles and infantry through a mined field and under dense enemy fire so that we can continue the offensive. And he succeeds.
— SIMPLICIUS Ѱ (@simpatico771) March 11, 2024
The vehicle withstood more than ten direct… pic.twitter.com/CWKSOjaVCr
A homemade Russian demining machine based on a T-62 tank with a removed turret and a KMT-7 minesweeper was destroyed near Marinka, Donetsk region. ( 1.5 km from the frontlines) pic.twitter.com/GXfDKpXGho
— PS01 (@PStyle0ne1) May 19, 2024
他方、この亀戦車はほかの同類と異なり、砲、というより砲塔全体が取り外されていたようだ。そうするのは理にかなっている。というのも、亀戦車は基本的に戦闘車両というより地雷除去車両であり、地雷だらけの中間地帯を突き抜ける突撃部隊を先導する車両して使われているからだ。
そもそも砲塔に金属製の甲羅をかぶせると、その支柱のせいで砲塔はろくに回転できず、さらに乗員の視界も遮られ、ほぼ前方しか見えなくなる。地雷除去車両としてはともかく、これではもはやほとんど戦車の体をなしていない。
亀戦車は最初に確認されてから6週間のうちに、ロシアがウクライナで拡大して2年3カ月たつ戦争の1000kmにおよぶ戦線のあちこちに姿を見せるようになった。最初の数週間は、その新奇さと、半年にわたる米国の支援停止などによるウクライナ軍の深刻な砲弾・ミサイル不足のおかげで、乗員は助けられていた。