宇宙

2024.05.28 10:30

宇宙から大分空港への直行便就航⁉ 新型補給機「ドリームチェイサー」が切り開く新航路

2022年以降、各国各社はこの超格安ロケットに対抗すべく新型ロケットの初打ち上げに臨んでいるが、そのうち再利用型は数少ない。また、国内においても再利用型ロケットの開発計画は聞こえてこない。 ただし政府は昨今の急速な宇宙技術の進展を鑑み、、まずは法整備から進めようとしている。

3つ目は、日本から打ち上げられた宇宙機(有人宇宙船を含む)が日本に着陸する、または日本と他国の間で離発着することを想定している点だ。

スペースX社は現在、史上最大の超大型ロケット「スターシップ」(全長121m)のフライトテストを繰り返している。この機体には100名以上が搭乗できるとされているが、同社の主宰であるイーロンマスク氏はこの機体を、世界中のあらゆる2地点を結ぶ「二地点間高速輸送」にも使用する構想を持つ。

打ち上げられた機体は高度100km以上の宇宙に到達するが、地球周回軌道には乗らず、大陸弾道ミサイルのように他の地点へ向かう。これを弾道飛行という。この航法であれば東京からハワイを30分、世界中のあらゆる都市間を1時間で移動できる。

マスク氏は、乗客やペイロード(積載物)が大量に積載できるこの超大型宇宙船が完成すれば、打ち上げコストは従来の100分の1まで下がるという。それが本当ならニューヨークから日本まで所要時間1時間のチケットを1億円程度で購入できるだろう。ただし、その需給バランスが成立するかは謎だ。

日本から有人宇宙船が飛ぶ?

宇宙に向けて急上昇するスペースシップ2の1号機「VSSユニティ」全長18.3m、全幅8.2m、定員8名(内2名はパイロット)。(c)Virgin Galactic

宇宙に向けて急上昇するスペースシップ2の1号機「VSSユニティ」全長18.3m、全幅8.2m、定員8名(内2名はパイロット)。(c)Virgin Galactic

今回はじまる法改正は、2026年までの具体化を目指すとされている。この改正によってどんな変化が生まれるのか?

国内では有人宇宙船の研究開発を一部のベンチャーが続けている。今回の法改正はその開発の方向性を示すためにも役立つ。しかし、国内ベンチャーの宇宙船開発はいまだ模型レベルであり、実現可能性は見えていない。

では、米国の宇宙船が日本から打ち上げられる可能性はあるか? その計画はまだない。スペースX社の「クルードラゴン」やボーイング社の「スターライナー」をロケットともに国内に誘致し、日本から打ち上げることは非現実的だ。
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編集=安井克至

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