MLB(メジャー・リーグ・ベースボール)、NBA(ナショナル・バスケットボール・アソシエーション)、NHL(ナショナルホッケーリーグ)、そして欧州サッカーではすでに行われたように、プライベート・エクイティがNFLに投資する日も近いかもしれない。ウォール街がアメリカン・フットボールに食らいつがずにいられない理由のひとつは、NFLの比類のない収益性にある。
フォーブズが集計した直近3年間のEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)ベースの営業利益をみると、「世界で最も収益性の高いスポーツチーム」上位25チーム中、13チームがNFLに属するアメリカン・フットボールのチームだった。これに続くのがNBAの6チームと、サッカーのイングランド・プレミア・リーグ(EPL)の5チーム、残る1チームはドイツのサッカーリーグであるブンデスリーガだった。
収益性が高いチームは、大きな市場でスタジアムを運営している。過去3シーズンのダラス・カウボーイズとニューイングランド・ペイトリオッツの営業利益を合計すると18億3000万ドル(約2867億円)になるのに対し、MLBの全30チームの営業利益を合計しても17億6000万ドル(約2758億円)にしかならない。
最も収益性の高い上位25チームの平均営業利益は3億7800万ドル(約592億円)と、昨年より7.7%増えている。NFLのアトランタ・ファルコンズとEPLのアーセナルが新たにベスト25入りを果たしたが、その理由は対照的だ。アトランタ・ファルコンズは2019年から1億ドル(約157億円)近く選手の年俸総額を削減した。一方のアーセナルは、ピッチ上のパフォーマンスが向上したこともあって過去3年間で1億3000万ドル(約204億円)の収益を上げ、2022-23年のヨーロッパリーグでベスト16入りしたことで、さらに3000万ドル(約47億円)を稼いだ。