タワーマンションの高層階に荷物を届ける宅配業者は、入り口に宅配ボックスがない場合、届け先のインターホンを押して玄関ホールのドアを開けてもらい、さらにセキュリティーの厳しいところならエレベーターのロックを解除してもらうなど、なかなか面倒なことが多い。手間も時間もかかる。そこで、東京大学先端科学技術研究センターと三井不動産による研究チームは、マンションの中にドローン専用の垂直空間を作って荷物を運ぶ、エレベーターに代わる配送システムを考案し、特許を出願した。
このシステムの有効性を確かめるために、研究チームは、仮想のタワーマンションを舞台に、市販されている実際のドローンを使った場合の荷物の脱着、上下飛行、バッテリーの交換という配送プロセス、宅配便やデリバリーなどの注文が突発的に発生する確率の数値モデルなどを使ってシミュレーションを行い、エレベーターを使用した場合と比較した。
これにより、一定の需要レベルまでは、エレベーターよりもドローンのほうが、早く、消費電力も少なくて済むという確証が得られた。大量輸送が可能なエレベーターと、個別の即時対応が得意なドローンという異なる輸送モードをうまく組み合わせるシステムは、他の物流分野にも重要な示唆を与えると研究チームは話している。
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