その出自はガールズバンドのドラマー。ポップスをやっていた彼女がなぜ「あっこゴリラ」になり、女性の無駄毛をテーマにした「エビバディBO」(2018年)や年齢をテーマにした「グランマ」(同)といった楽曲を制作するに至ったのか。
4月に開催された性感染症予防の啓発を目的とした音楽イベント「BLUE HANDS TOKYO」(ネクイノ主催)の開場で、音楽活動に込める想いを語った。
──2011年にガールズバンド「HAPPY BIRTHDAY」のドラマーとしてデビューしたあっこゴリラさん。音楽の道を志したきっかけを教えてください。
10代後半のころは「ゆくゆくはひとつの道に絞らないといけない」と思いつつも、どの道を選べば良いのか迷っていました。
そんな中、高校時代にバンドに誘われて。初めてドラムを叩いてみたところ、他の道には目を向けられなくなるくらいにドラムに夢中になりました。
──「プロ」を意識したのはそのころから?
いえ、昔からプロへのこだわりはなかったです。それよりも、いかに音楽で世間に私を“さらけ出せるか”が重要でした。
今振り返れば、当時から好きなミュージシャンが「小さなライブハウスでカルト的な人気を誇る人たち」だったからだと思います。私のルーツはそういったアングラな音楽なので、いまだに商業的な成功にはあまり惹かれなくて。
なので「HAPPY BIRTHDAY」時代は無理をしていましたね。「自分をさらけ出す」とは真逆のスタンスでした。ライブハウスで出会ったボーカル&ギターのきさと組んだポップス寄りのバンドで、すぐに音楽業界の方が私たちを見つけて、デビューすることになりました。
その時は「有名になれるチャンス」と思って、頑張っちゃったんですね。そしたら、やはり精神的に限界が来てしまい、2015年に解散。ラッパー「あっこゴリラ」に転身しました。