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2024.05.25 08:00

移動中の車内にあるデバイスも識別可能、米警察も注目の「監視システム」

Shutterstock.com

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ローマに本拠を置く監視・防衛・航空宇宙企業のLeonardo(レオナルド)によると、米国の警察は、移動中の車両から携帯電話やスマートウォッチ、犬や猫の追跡チップ、図書館の本など、信号を発するあらゆるものをスキャンできる同社の新技術をテスト中だという。
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Elsag EOC Plusと呼ばれるこの新技術は、レオナルドが提供するナンバープレート認識システムのElsagに組み込まれているが、スタンドアローンの監視装置として設置することも可能だ。この技術は、警察が移動中の容疑者を監視できるように設計されている。しかし、プライバシー擁護派は、この新技術を使えば令状なしに広範囲に渡って人を追跡することができ、彼らが知らないうちに持ち物を特定し、様々な情報を取得することを可能にすると懸念している。

昨年パリで開催された安全保障関連のイベント『Milipol(ミリポール)』のパンフレットによると、このツールは走行中の車内にあるiPhoneやボーズ製ヘッドフォンのモデルを識別できるという。また、犬や猫などのペットの体内に埋め込まれたチップやBluetoothデバイス、フィットネストラッカー、車載システム、タイヤの空気圧センサーなどが発する固有の信号を識別することができ、図書館の本についたRFIDの電波を検出することも可能だとパンフレットには記載されている。

警察は、これらのデータを車のナンバープレートと紐づけ、まるで指紋のような固有情報として扱うことができる。ある人物が運転する車両が他のナンバープレート認識システムを通過する際、仮に運転手や同乗者が車を乗り換えたとしても、その指紋を追跡することができる。
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「100台のうち30台の車にiPhoneが乗っているかもしれないが、iPhone 13にアウディのラジオ、ボーズ製ヘッドフォン、Garminのスポーツウォッチ、キーファインダーという組み合わせは1台しか存在しない。これらのデータの集まりが電子署名の役割を果たす」とレオナルドはパンフレットで説明している。

この新技術を利用するのは、警察や道路管理者に限らないかもしれない。レオナルドは、パンフレットの中で、「鉄道の駅やショッピングセンターなど、道路外の場所でも役に立つ」と述べている。全米のショッピングモールでは、万引き犯を捕まえることを目的にレオナルドのライバルであるFlock Safety(フロック・セーフティ)製のAI搭載車両監視技術が導入されており、警察機関に直接データを提供している。

フロック・セーフティのAIカメラも車両ごとの指紋を作成しているが、同社は車内のデバイスをスキャンするのではなく、車の色やメーカー、モデル、バンパーステッカー、ホイールリムなど、ナンバープレート以外の車の特徴を識別している。
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編集=上田裕資

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