エヌビディアの株価は午前中の下落から反転し、1%近く上昇して954ドルで取引を終えた。
これは、3月に記録した過去最高値の終値950ドルを上回るものであり、22日の午後に予定されている決算報告を前に、ポジションを変更した結果だと思われる。
エヌビディアの株価は先月だけで25%以上上昇し、2024年に入ってから93%上昇と、2023年の240%もの上昇を上回る勢いだ。
バンク・オブ・アメリカによると、オプション取引は、エヌビディア株が22日の決算報告を受けて、どちらかの方向に約8.5%動くと予想している。
この動きは、エヌビディアの2兆3000億ドル(約360兆円)の時価総額を、2000億ドル(約31兆円)ほど増減させることになる。わずか4年前の時価総額が2000億ドルだった会社からは想像もつかない金額だ。
エヌビディアの投資家のムードは、同社が2024年第1四半期の驚異的な予測をどれだけ達成できるかにかかっている。FactSetがまとめたアナリストの前年同期予想では、ウォール街はエヌビディアの売上が240%増の246億ドル、純利益が540%増の131億ドルと予想しているためだ。
Raymond Jamesのアナリストであるスリニ・パジュリは、今週エヌビディアが直面している大きな壁について、顧客向けのメモで「期待は必ずしも低くはない」と述べている。
パジュリは、エヌビディアの株価にはまだまだ伸びる余地があると考える多くのアナリストうちの1人だ。同社の株価が過去18カ月間に500%以上も急騰した後でもだ。投資家たちは、エヌビディアがこの規模の企業としてはほぼ前例のない利益成長を遂げ、しかも途方もなく高い利益率を維持していることに夢中になっていた。エヌビディアは、GPU(画像処理装置)を開発しており、AI用半導体チップ市場の約80%を占めている。
バンク・オブ・アメリカによると、エヌビディアは今年第1四半期のS&P500全体の利益成長のおよそ40%を占めると予想されている。別の表現をすると、FactSetによれば、ベンチマークである米国の株価指数の予想収益成長率は、エヌビディアなしでは5.7%から3.2%に下がることになる。
(forbes.com 原文)