食&酒

2024.05.23 15:00

食品大手ネスレ、「減量薬の使用者向け」冷凍食品を米国で発売へ

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食品大手ネスレは米国時間5月21日、オゼンピックやウェゴビーなどのGLP-1と呼ばれるダイエット薬を使用する人々に特化した冷凍食品ブランドを、米国で立ち上げると発表した。食欲を抑える減量薬の人気の高まりによって、潜在的な売上の減少に直面する同社は、新たな戦略を進めている。
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同社のVital Pursuit(バイタル・パースート)と名づけられた冷凍食品ラインは、冷凍ピザやメルトサンドイッチ、パスタなどを4.99ドル以下の価格で提供する。

これらのメニューには、タンパク質やビタミンA、カリウム、カルシウムなどの様々な栄養素が含まれており、「グルテンフリーのオプションも用意される」とネスレは21日のプレスリリースで発表している。

CNBCの報道によると、この食品ラインのパッケージにGLP-1製剤についての明確な言及はないが、ネスレはソーシャルメディア上でこれらの商品とGLP-1製剤との関連性を示す予定で、プレスリリースでもこれらのダイエット薬について触れている。
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ネスレUSAミール部門のトム・モー社長は声明の中で、同社が消費者の食習慣に対応するために商品ラインを拡大してきたと述べ、「市場の需要に沿って、バイタル・パースートをより多くの商品フォーマットで拡大し続ける」と付け加えた。

ロイターによると、バイタル・パースートは10月に米国のスーパーマーケットの店頭に並ぶ予定という。

健康調査機関KFFの5月10日の調査によると、米国でGLP-1製剤を「服用したことがある」と答えた成人の割合は12%で、「現在使用中」と答えた人は約6%だった。ウェゴビーのようないくつかのGLP-1薬は減量目的の使用が承認されているが、オゼンピックは糖尿病のために正式に承認され、減量目的の場合は、適応外で処方される場合が多い。

遠隔医療プラットフォームを手がけるHims & Hers Health(ヒムズ&ハーズ・ヘルス)は20日、ウェゴビーに代わる月額199ドルの減量薬を発表し、同社の株価を3年ぶりの高値に急騰させた。

ネスレは昨年10月の決算説明会で、GLP-1ユーザーに特化した製品を開発中であることを初めて明らかにした。GLP-1のようなダイエット薬の人気の高まりは、食品メーカーだけでなくフィットネス業界や医療業界に打撃を与える懸念が広がっている。

GLP-1はもともと2型糖尿病の治療薬として開発されたものだが、その食欲抑制作用によって多くの人がダイエットのために服用するようになり、人気が急上昇している。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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