トランプ陣営は、寄付者がコインベースを通じて政治献金を行えるウェブサイトを立ち上げ、彼がデジタル通貨を受け入れる最初の「主要政党の大統領候補」であることを宣言した。
トランプは、かつての大統領在任中に「ビットコインやその他の暗号資産は好きではない」と述べていたが、最近はその姿勢を改め、3月のインタビューでは「ビットコインや暗号資産には多くの利用ケースがあり、現時点ではそれを人々から取り上げたいとは思わない」と発言していた。
トランプ陣営と共和党全国委員会(RNC)は20日、4月に7600万ドル(約120億円)の資金を集めたと報告したが、この額はバイデン陣営と民主党全国委員会(DNC)が報告した4月の調達額の5100万ドルを約2500万ドル上回った。トランプ陣営の調達額がバイデン陣営を上回ったのは、これが初めてとされている。
連邦選挙管理委員会(FEC)は、2014年に議会の候補者が政治献金として暗号資産を受領することを承認していた。
トランプは、大統領在任中から政治的にも個人的にも暗号資産への投資を行ってきた。彼は、2022年12月にNFTのトレーディングカードセットを発売しており、フォーブスは、トランプの約70億ドル(約1兆円)の保有資産のうちの約300万ドルが暗号資産で構成されていると推定している。トランプは、今月初めに開催した暗号資産のファン向けの夕食会で、「自分に投票した方がいい。さもなければバイデン政権による規制強化に直面する」と警告したと政治ニュースサイトのポリティコは報じている。
議会の下院は間もなく、デジタル通貨に関する規制権限の大部分を米証券取引委員会(SEC)から、より業界寄りの商品先物取引委員会(CFTC)に移すための法案を採決する見通しだ。
暗号資産業界が強く後押しするこの法案は先週、超党派の支持を得て上院を通過し、下院も通過する見込みだとされている。しかし、ホワイトハウスは今月初め、バイデン大統領がこの法案に拒否権を発動すると発表し、「暗号資産に対する規制の枠組みを維持するSECの能力を制限することは、金融不安と市場の不確実性をもたらすだろう」と警告した。
(forbes.com 原文)