サウジはスポーツ界への巨額の投資を続けており、米プロゴルフ協会(PGA)との提携、F1グランプリの開催、世界最高年俸のサッカー選手との契約など、2021年以降に少なくとも63億ドル(約9860億円)をスポーツ契約に投じている。
複数のメディア報道によると、PIFは20日にWTAとネーミングライツパートナー契約を締結した。
WTAは先月、女子ツアー最終戦「WTAファイナルズ」を今後3年間サウジの首都リヤドで開催し、賞金を2023年比で70%増額して過去最高の1525万ドル(約23億8600万円)に引き上げると発表したばかり。
人権侵害と女性抑圧の歴史を持つサウジで女子ツアー最終戦を開催するとの決定は、女性の権利運動への打撃だとしてファンや人権団体から批判を浴び、物議を醸した。
2月には、PIFが男子プロテニス協会(ATP)の5年間のネーミングライツ・パートナー契約を結んだことも発表されている。ATPは、11月に開催される21歳以下最終戦「ネクストジェネレーションATPファイナルズ」をサウジ・ジッダで開催している。
今年初めには、男子トップ選手のラファエル・ナダルがサウジアラビア・テニス連盟のアンバサダーに就任することが発表された。
女子テニス世界ランク1位のイガ・シフィオンテクは、WTAとサウジアラビアとの提携については比較的中立的な立場をとりつつ、WTAの提携契約に関して選手には「決定権がない」との見解を示している。
一方、3位のココ・ガウフは、サウジにおける女性の扱いについては支持しないとした上で「私たちが変化を起こし、質を向上させ、地域社会と関わりを持って状況を変えられるよう願っている」と語っている。