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健康

2024.05.24 14:00

運動量は「時間」で測るべきか、それとも「歩数」か

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運動量はどのように測定するのがベストなのか──フィットネス愛好家の間で長年議論されてきた疑問を解決する最新の研究結果が20日、発表された。運動は、その進捗状況を時間で記録するか、歩数で記録するかにかかわらず、大きな健康上の利益をもたらすという。

これは、米ブリガム・アンド・ウィメンズ病院による研究「Women's Health Study」に参加した女性1万4000人以上を2011年から2022年まで追跡調査した結果だ。

米国医師会(AMA)発行の専門誌JAMA Internal Medicineに発表された研究結果によると、参加者は週平均62分の運動を行い、1日の平均歩数は5183歩だった。だが、歩数と時間のどちらを見ても、数字が大きいほど心臓病のリスク低下と関連していた。

9年間の追跡調査において、運動量の多かった上位4分の1の女性は、運動量の少なかった下位4分の1の女性と比較して30~40%のリスク低減を示した。また、BMIに関係なく、上位4分の3の参加者は下位4分の1の参加者よりも、運動時間の長い人で2.22カ月、歩数の多い人で2.36カ月長生きした。

しかし、研究者らはいずれの測定法にも欠点があると指摘している。歩数のカウントは、身体条件の違いや、時間単位でモニターしやすいサイクリングや水泳のような運動を考慮していない可能性がある。加えて、高齢者の場合は掃除や家事のような日常的な作業に伴う歩数を通じて1日の活動量の多くを得る傾向がある。

世界保健機関(WHO)の推計によると、運動不足が原因で亡くなる人は年間約320万人に上り、世界で4番目に多い死因となっている。成人の23%、学齢期の子供の81%が十分な運動をしていないといわれている。

今回の研究の筆頭著者で、ブリガム・アンド・ウィメンズ病院の予防医学科に所属する濱谷陸太博士は、「スマートウォッチで歩数や健康状態を測定する人が増える中、歩数ベースの測定値が時間ベースの目標値と比較して健康上の結果とどのように関連するのか、つまりどちらが優れているのかを確認することが重要だと考えた」と説明している。

2018年に更新された米国の健康ガイドラインでは、週150分以上の中等度~強度の身体活動(早歩きなど)か、週75分のジョギングのような強度の身体活動を推奨している。これらの勧告では歩数が考慮されていないため、研究者らは今後、歩数ベースの運動目標を時間ベースの目標と並べて示すことを検討すべきだと主張している。

1日1万歩のウォーキングで認知症や心臓病のリスクが低下するという研究結果もあるが、健康的なライフスタイルを維持するにはもっと少ない歩数でも十分だとの研究結果もある。2023年の研究によると、1日2300歩を少し上回るだけで心臓病の予防に大きな効果があり、4000歩以上では1日当たり1000歩多く歩くごとに早期死亡のリスクが15%減少し、最大2万歩までリスクが減少していくという。

運動をスマートウォッチで計測するのはダイエットに効果的だとする研究もある。2021年の研究によると、一般向けには販売されていない研究用の運動測定機能付きスマートウォッチを着用した参加者は、12週間で平均約4.5kg体重が減少し、FitbitやApple Watchのような市販のスマートウォッチを着用した参加者は、平均約2.7kg体重が減少した。研究者たちは、スマートウォッチなどの運動測定ツールが人々の減量に役立つのは、健康関連の目標を常に思い出させてくれるからであり、その目標を追跡する簡単な方法だからだとみている。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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