特に収益を押し上げているのは、放映権料だ。米ナショナル・ウィメンズ・サッカーリーグ(NWSL)と全米大学体育協会 (NCAA)の女子バスケットボール・トーナメントの年間の放映権料はいずれも、平均6000万ドル(約93億円)を超えている。
そして、選手たちの収入を引き上げているのも、放映権料の高騰だ。全米女子プロゴルフ協会(LPGA)主催ツアーの今季の賞金総額は、2019年より78.6%多い約1億2300万ドル(約191億円)となった。
NWSLはサラリーキャップ(所属選手全員の年俸の総額)を40%引き上げ、275万ドル(約4億2000万円)とした。女子代表のフォワード、マロリー・ピュー・スワンソンが、リーグ史上最高額となる4年200万ドル(5年目のオプション付き)で、シカゴ・レッドスターズと契約したことが大きな理由とされている。
男女間の違いは、確かに大きいかもしれない。だが、最も稼ぐ女性アスリートの収入は、確実に増加している。2023年に女子のみのランキングでトップ20に入った選手の年収の平均は、前年の約730万ドル(約11億円)から850万ドル(約13億円)余りに増加。年収が1000万ドル(約15億円)を超えたと推定される選手は3年前から倍増し、8人となった。
バル准教授はこうした変化について、こう述べている。
「『女子スポーツは、決して男子スポーツと同じようにはならない』などというのは、非常に不公平な見方です。分配や報酬、その他の面において、女性アスリートが男性たちと平等に扱われたことは、なかったのですから」
世界の長者アスリートTOP10
フォーブスが発表した今年の『世界アスリート長者番付』のトップ10は以下の通りだ。金額は今年の年収を指す。1.クリスティアーノ・ロナウド(サッカー)/2億6000万ドル(約406億円)
2.ジョン・ラーム(ゴルフ)/2億1800万ドル(約340億円)
3.リオネル・メッシ(サッカー)/1億3500万ドル(約211億円)
4.レブロン・ジェームズ(バスケットボール)/1億2820万ドル(約200億円)
5.ヤニス・アデトクンボ(バスケットボール)/1億1100万ドル(約173億円)
6.キリアン・エムバペ(サッカー)/1億1000万ドル(約172億円)
7.ネイマール(サッカー)/1億800万ドル(約168億円)
8.カリム・ベンゼマ(サッカー)/1億600万ドル(約165億円)
9.ステフィン・カリー(バスケットボール)/1億200万ドル(約159億円)
10.ラマー・ジャクソン(アメリカン・フットボール)/1億50万ドル(約157億円)
(forbes.com 原文)