北米

2024.05.21 13:00

米国の消費者物価指数は見かけよりも高い? 隠れた「住宅保険料」というコスト

Getty Images

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米国の定年退職者や定年を間近に控えた人々の間で高額な出費が急増しているが、それは同国の消費者物価指数(CPI)には含まれておらず、統計上のインフレ率には影響しない。

米国の自動車保険料はここ数年で急上昇している。これにより、自動車の保有コストと維持コストは大幅に押し上げられ、CPIの上昇に貢献した。

しかし、自動車保険はCPIに含まれる一方で、ホームオーナーズ保険(住宅向け損害保険)は含まれない。

ホームオーナーズ保険料もここ数年で急速に上昇しており、このため個人にとっての実際のインフレ率は統計上のCPIを上回っている。

2022~23年に約20%上昇したホームオーナーズ保険料は、2024年にはさらに6%上昇するとみられている。また、ブルームバーグ・インテリジェンスは、住宅向けの各種保険料が2019年から2023年にかけて約50%上昇したと推計している。

レンターズ保険(賃貸物件に住む人を対象とした家財保険)はCPIに含まれるが、その保険料は、ホームオーナーズ保険ほど上昇していない。

ホームオーナーズ保険料が上昇した主な理由は、近年の気象現象による損害の増加である。住宅に損害をもたらす気象災害の発生件数は予想された以上に多いようだ。

加えて、インフレのため、こうした災害や日常的な住宅災害による損害の修理費用も増加した。

直接被害を受けた地域の住宅所有者が増加分の大部分を負担しているが、保険会社はその費用を全国の契約者に分散させている。

一部地域では、ホームオーナーズ保険料が法外に高額になり、市場から保険会社が相次ぎ撤退したという例もある。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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