このドラマで女性ストーカーとして描かれるフィオナ・ハーヴェイは、2013年にロンドンのバーで、このドラマの原案者であり主演のリチャード・ガッドに出会い、その後、彼に数万通ものメールや手紙を送りつけ、執拗にストーカー行為を行ったとされている。
ガッドはこのストーカーの身元を明かしていなかったが、ハーヴェイによれば、彼女はこのドラマのファンによってすぐに特定され、名誉を傷つけられたと主張している。
ニュースサイトのDeadlineは5月16日(現地時間)、ハーヴェイの弁護士であるクリス・ドウKCが、このドラマを「実話」と称して配信したネットフリックスを相手取る名誉毀損訴訟を起こそうとしていると報じた。ドラマで描かれたストーカーは、最終的に有罪を宣告され、刑務所で服役するが、これは事実とは異なるという。
この訴訟は、ネットフリックスがこのドラマのプロモーションにおいて、ハーヴェイの身元を隠すために十分な努力をせず、ハーヴェイのイメージを悪用したと主張している。
ハーヴェイはまた、9日にトーク番組『Piers Morgan Uncensored』に出演し、ネットフリックスやドラマの制作者を批判したが、その動画のYouTube再生回数が5日間で260万回以上を記録したことを受けて、同番組の司会者に100万ポンド(約1億9600万円)の支払いを要求している。
スコットランドのタブロイド紙、デイリー・レコードによると、彼女はこの番組への出演で250ポンド(約4万9000円)を受け取ったとされるが、動画がヒットしたことを受けて、追加の報酬を要求していると報じられている。ハーヴェイは、この番組内で英国タブロイド紙のデイリー・メールも訴えるつもりだと語ったが、その理由については詳しく語らなかった。
フォーブスは、リチャード・ガッドとネットフリックスにコメントを求めたが、直ちに回答は得られなかった。
『私のトナカイちゃん』は、ガッドが10年以上前にストーカー被害を受けた経験を基にしたドラマで、彼をストーキングした女性は、ドラマの中で逮捕・起訴され、9カ月の実刑判決を受けたと描かれている。このドラマはネットフリックスで公開直後からヒットし、同プラットフォームのチャートで5位に初登場し、3週間にわたり1位をキープした。
ドラマの人気が急上昇すると、一部のファンはネット上でストーカーの正体の特定を開始した。女性ストーカーを演じたジェシカ・ガニングは、ファンたちに憶測を流すのをやめるよう求めていた。
(forbes.com 原文)