また、モロッコは現在、価値を求める旅行者に人気だ。モロッコは世界的なサーフィンの聖地として注目されており、北アフリカ最高峰のツブカル山(モロッコのアトラス山脈に位置)、メルズーガ砂漠のシェビ砂丘でのラクダトレッキングなど、さまざまな見所があることから、有名ガイドブックのロンリープラネットは同国を2024年の『ベスト・イン・トラベル』リストに選出している。
英国のザ・タイムズ紙は、モロッコを2024年における最も価値のある休暇先の1つに挙げ、マラケシュを2023年のヨーロッパ以外で最も安いオールインクルーシブな旅先としてリストアップしている。また英国のザ・テレグラフ紙は、モロッコの優れた鉄道網を称賛し、海辺のアガディールを拠点に周辺地域を1日22ドル(約3430円)で探索することをお勧めしている。
ある報告書によると、現在計画が進む大陸横断鉄道を利用する乗客は年間1280万人に上る可能性があり、アフリカとヨーロッパの間の貨物取引量は最大1300万トン増加する可能性があるという。
英仏海峡トンネルに反対する人々は、30年経った今でもEUと英国の距離を縮めるのに役立っていないと主張し、その例としてブレグジット(英国のEU離脱)を挙げている。しかし、英仏海峡の海底22マイル(約35.4キロメートル)にあるこのトンネルが、これまでに何百万人もの観光客を運んできたことは否定できない。今日、このトンネルはフランスと英国の間を行き来する物品の価値は全体の25%を占めており、開通以来、5億人以上の人と1億200万台以上の車両が運搬されている。
もう1つ注目すべき点は、このアフリカとヨーロッパを結ぶ海底鉄道が実現すれば、2030年のFIFAサッカーワールドカップの3つの開催国(ポルトガル、スペイン、モロッコ)の間を、より速く、より環境に優しい方法で移動できるようになることだ。
(forbes.com 原文)