今年に入ってから、投資家たちはアップルのAIへのアプローチについてティム・クックCEOに問いかけ続けている。先月、ブルームバーグはアップルがOpenAIならびにグーグルの両社と、iOS 18でそれぞれのAIチャットボットを使用する件について協議中だと報じた。
アップルはiOSの一部(特に画像処理と自動補正)でAI技術を使用しているが、最近のAIスマートフォンの潮流に乗り遅れている。この潮流はiPhone 15発売の数週間後に、Pixel 8発表イベントでグーグルが始めたものだ。AIは今後開催される世界開発者会議(WWDC)でiOS 18に登場すると予想されるが、一般には9月のiPhone 16ファミリーのデビューまでは公開されない見通しだ。
間違いなくアップルは、「アップルにしかできない方法」でAIを使用することに注力するだろう。ティム・クックCEOと彼のチームは、データをクラウドに送信するのではなく、iPhone上でローカルにデータを処理するというアイデアを推し進めると私は予想する。前述のPixel 8発売以来、すべてのスマートフォンメーカーがこの約束を掲げているが、アップルの持つ魅力により、このメッセージはサムスンなどが出すメッセージよりも大きな反響を呼ぶだろう。
アップルはWWDCとiOS 18でAIベースのソフトウェアを披露するが、OpenAIのChatGPTやグーグルのGeminiを使用する可能性が示唆されていることから、iPhoneの生成AIの使用は競合他社に非常に似たものになるだろう。
アップルがiOS全体で使用している機械学習アルゴリズムは、技術的な観点からはAIを使用しているということができるが、AndroidがAIで先行しているという一般の認識はすでに確立されている。そのため、アップルが自社の生成AIツールを強化するために競合他社に頼ることは、iPhone がライバルに後れを取っているという感覚を助長するだけだろう。
(forbes.com 原文)