経済・社会

2024.05.21 10:30

バフェットが語る「慈善活動の意義とそこから学べること」

安井克至
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Drew Angerer/Getty Images

ウォーレン・バフェットと親密な関係にあると主張できる組織はそれほど多くはない。

2000年以来、バフェットは、ユニークな慈善投資手段を通じてサンフランシスコの社会正義を推進するGLIDE(グライド基金)を支援するため、5000万ドル以上の資金調達の手助けをしてきた。Power of One Charity Lunch Auction(パワー・オブ・ワン・チャリティ・ランチ・オークション)と名づけられた、バフェットとランチをともにする権利を得るためのオークションだ。

ジム・ハルペリンとスコット・ティルソンは、1万8000ドル(約277万円)という破格の値段でその席を手に入れたため、最も賢明な投資家として歴史に名を残すことになるだろう。昨年2022年の落札額は1900万ドル(約29億円)だった。GLIDEのCEOであるジーナ・フロマー博士とeBay(イーベイ)のCEOであるジェイミー・イアンノーネとの最近のディスカッションでは、これらの寄付によって可能になった、無料の食事プログラムや教育イニシアティブ、GLIDEメモリアル・チャーチの日曜礼拝が、人々の人生を変えるような影響を与えていると話した。

ランチの参加者の中にも、それによって人生が変わった人たちがいる。2010年にバフェットとディナーをした後、テッド・ウェシュラーはバークシャー・ハサウェイに就職した。262万6311ドル(約4億円)の投資に対するリターンとして悪くないだろう。

私は最近ウォーレン・バフェットと直接話す機会に恵まれたのだが、その話を聞くと、GLIDEを通した慈善活動が彼の人生にも深い影響を与えたことは間違いないと感じる。最初は亡き妻スージーといっしょに教会を訪れた一度きりのことだったのが、やがてそれは永続的なものと変わっていった。
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翻訳=江津拓哉

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