NYでバンクシー美術館がオープン、世界最大の160点以上の作品を展示

バンクシーの作品の多くが白く塗りつぶされたり撤去されたりしている中、ニューヨークの美術館では、バンクシーの作品を再現するために雇われた匿名のストリートアーティストらが制作したレプリカが展示されている。

バンクシー美術館の創設者ハジス・バーダーは報道資料で、なぜ美術館を展開するに至ったかを説明している。

「バンクシーの作品は一般の人の目に触れることはほとんどない」とバーダーは指摘する。「大半が転売目的で盗まれたり、うっかり破壊されたり、あるいは過剰に熱心な市清掃職員らに消されてしまう。このような一過性の作品のほとんどはスマートフォンの小さな画面でしか見ることができず、バンクシーの作品のスケール感やそこにこめられた感情を体験することはできません。そのため、バンクシーの作品が人々の目に触れるよう、展覧の場を設ける必要があると感じていた」

ニューヨークの美術館ではストリートアートだけでなく、バンクシーがスタジオで制作した作品やアニメーション、映像作品も展示されている。

「バンクシーの作品はもともとビルの壁や公園、地下鉄に描かれていたもので、バンクシーが本来意図したものに近いかたちで作品を展示することが私たちの目標だった」とミードは話す。「私たちは、この作品が持つパワーと、他にはないスピリチュアルな力を信じている」

ニューヨークの美術館で展示される作品は他都市での展覧会とほぼ同じだが、いくつか違いがある。『Bronx Zoo』(米国)、『The Girl and the Mouse』(米国)、『Hooded Youth』(英国)などユニークな作品の展示はニューヨークだけだ。

バンクシーが自らの名を冠した展示を見ることはあるかと尋ねられたミードは、その可能性は極めて低いと答えた。

「バンクシーの素性は厳重に守られ、秘密のままだ。バンクシーは通常匿名で活動し、作品に語らせることを好む。公的なイベントに関わったり登場したりすることは極めて稀だ」とミードは付け加えた。「だがこの展覧会は、バンクシーの示唆に富む作品に触れ、現代を代表するストリートアーティストの謎めいた世界を探求する、またとない機会を来場者に提供する」
Roy Rochlin/Getty Images)

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ニューヨークのバンクシー美術館はロウアー・マンハッタンのキャナルストリート227番地にあり、開館時間は午前10時〜午後8時。展示は当面続く予定だが、最新情報はウェブサイトでチェックしてほしい。入館チケットは日時指定となっており、個人、グループ、学生向けなどさまざまな価格が設定されている。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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