英テレビのスカイニュースとのインタビューで、ダイモンは今回の米国の関税引き上げは「少し」緊張を高めるだろうと述べ、中国は「いくぶん不公正な貿易を行っている。米国ではEVをほとんど販売していない」とも指摘した。
ダイモンは「中国がある種、ロシアの側に立っている限り、我々は苦境に立たされるだろう」と認めた。また、台湾問題については、適切に解決されるまで「常に問題を引き起こす」との見解を示した。
その上でダイモンは、中国に「全面的に関与する」ことが正しい道であり、中国が「激しい競争」を仕かけており、また西側諸国とは異なるとはいえ、「それが戦争になる必要はない」と述べた。
中国の習近平国家主席が最近フランスを訪問したのは、欧州連合(EU)の中国への対応が少し生ぬるいことの表れではないかとの質問に対しては、ダイモンは同意せず、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は不満に思っている問題を持ち出したが「2人は思慮深く対応していると思う」と指摘した。
ダイモンはまた「我々は戦略的で、非常に思慮深く、そして中国と全面的に関わるべきだ。中国は敵ではなく競争相手であり、我々が望むものとは異なる世界を求めている。我々は自由で民主的な西側の世界を望んでおり、戦う価値があるものだ」と語った。
米政府は14日、中国から輸入されるEVや半導体、バッテリー、鉄鋼への関税引き上げを発表した。特にEVへの関税は現行の25%から100%に引き上げられる。米中間では貿易戦争が繰り広げられており、今回の措置は米国の最新の対抗策となり、中国のいくつかの主要産業を標的にしている。
(forbes.com 原文)