サンフランシスコから東に300kmほどにある世界遺産で、アメリカ三大国立公園の一つとも言われる「ヨセミテ国立公園」では、往復10時間かけてヨセミテ渓谷のシンボルの一つ、ハーフドームに登ってきました。
登頂には許可が必要で、一日に登れる人数も300名までと決まっているのですが、抽選の結果、見事当選! 朝5時、まだ暗いうちにヘッドライトをつけてスタートし、ラストのほぼ垂直なケーブルラインでは怖くて無駄に腕に力がつつも、標高2693mを無事登りきりました。花崗岩に囲まれた渓谷の美しく壮大な景色と達成感で心が満たされたことをよく覚えています。
ヨセミテは、世界最大の花崗岩の一枚岩「エル・キャピタン」をはじめ、世界中からクライマーが集まるロッククライミングの聖地とも呼ばれていますが、ハーフドームは特別なスキルなどは必要なく登ることができますので、行かれた際にはぜひトライしてみてください。
そして、ラスベガスからさらに内陸部に入ると、またこれまでとは違った乾燥地域やコロラド高原ならではの自然の表情に出会います。
まずはグランドキャニオンに次ぐ人気を誇るとも言われる「ザイオン国立公園」です。
中でもザイオン渓谷を流れるバージン川の沢登りが楽しめる大人気トレイル「The Narrows(ナローズ)」は、アクティビティ好きにはたまらないかと! 往復10時間の日帰りトレイルで行くことのできる最奥地のビッグスプリングと呼ばれるポイントを訪れます。
僕が参加した11月には水温も下がってきていたのでドライスーツをレンタル。川幅わずか6mの両側に高さ300mもの岩壁がそびえ立つ、ザイオン渓谷の大迫力を堪能することができました。
こちらはユタ州との州境に近いアリゾナ州北部、バーミリオン・クリフス国定公園の自然保護区内コヨーテビュート・ノースエリアにある「The Wave(ザ・ウェーブ)」。
遡ること2億年。恐竜の時代・ジュラ紀に層になった砂丘が圧力で固まって形成されたナバホ砂岩が、後に雨・鉄砲水や風の侵食を受け姿を現した、独特の色合いと流線形の地層はまさに悠久の自然が織り成したアート。もろく損傷を受けやすい砂岩を保護するため、抽選で1日に64人だけ訪れることが許される、秘境中の秘境の絶景スポットです。
美しい岩の斜面をポイントに向かって地図を握りしめて歩く2時間半ほどの間、トレジャーハンターになったような気分でした。
抽選は、4カ月前に行われる事前抽選で48名、2日前のデイリー抽選で16名が選ばれるというかなりシビアなもので、僕は自転車での移動で予定が不確定だったので2日前抽選に参加しました。カナブという小さな街で野宿中に当選連絡がきて、テントの中で大興奮したのをよく覚えています。
必見の奇岩スポットはまだまだ他にも!
堆積岩が川ではなく風や水・氷によって浸食されたフードゥと呼ばれる土柱が立ち並び、巨大な自然の円形劇場(アンフィテアトルム)とも言われる「ブライスキャニオン国立公園」や、アメリカ先住民ナバホ族の準自治領「ナバホ・ネイション」にあり、西部劇をはじめ映画のロケ地として知られる「モニュメントバレー」。
そして、世界遺産でアメリカ三大国立公園とも言われる「グランドキャニオン国立公園」で、約20億年という気が遠くなりそうな地層の重なりを感じてきました。