今年に入ってこれまでで最も興味深いAIセキュリティ機能の栄冠は、グーグルに与えられるかもしれない。グーグルが、米国やその他の地域の多くのスマートフォンユーザーにとって、究極のゲームチェンジャーとなり得る、まったく予想されていなかった新機能を突如として発表したのだ。
新たに発表されたAndroidの機能は、スマートフォンに着信した音声通話をリアルタイムでモニタリングし、ユーザーに潜在的な詐欺の可能性を警告するというものだ。たとえば、セキュリティコードや個人情報を要求したり、唐突な取引を持ちかけたりするなど、本物の銀行員がすることはまずないような要求を、銀行員と偽って要求する例などが挙げられている。
この分析は完全にデバイス上で行われ、グーグルのAIであるGemini(ジェミニ)の軽量版であるNanoプラットフォームを使用するため、顧客のプライバシーは保護される。これは、あらゆる形式の通話モニタリングにとって明らかに重要なポイントだ。
Gemini Nano with Multimodality just got announced! This new, 3.8B parameter is designed to run on-device and can process not just text input but also audio and images. It’s coming later this year “starting with Pixel” and will be used for:
— Mishaal Rahman (@MishaalRahman) May 14, 2024
- Clearer descriptions with TalkBack.…… pic.twitter.com/uNTMD7PTjA
サムスン、アップル、グーグルがプレミアムスマートフォンのAI分野でしのぎを削る中、端末上での処理とクラウド上での処理の線引きは、個人情報を過剰に取り込まず、プライバシーへの懸念を引き起こさずに新機能を導入するための重要な要素となりつつある。
このAI機能は、詐欺に関連する典型的な言語パターン、単語やフレーズ、行動に焦点を当てるようだ。そして明らかに、より広範に導入されればされるほど、デバイス上のプライバシーモデルに適合したトレーニングデータサイクルを経ることになり、より優れたものになっていくだろう。