京王電鉄は、新宿から八王子を通って高尾山までを結ぶ高尾線、渋谷と吉祥寺を結ぶ井の頭線など、首都圏の大動脈のひとつだ。今回発表された2000系は、利用者や社員の意見を分析して、「もっと、安全に、そして安心して、これからもずっと、のっていただける車両を、全ての世代に、やさしく、そしてワクワクしてもらえる車両を」というコンセプトにマッチする外観と内装をデザインしている。使用したのは、京王グループの電気通信大学発のAIベンチャー、感性AIによる人の感性の定量化やシミュレーションができるAI技術だ。
目玉は、現行車両よりも20パーセント向上させた省エネ性能、各車両に2台ずつパナソニックの「ナノイーX」空気清浄機を装備、各車両に車椅子スペースを設け、開いているドアをチャイムで知らせるなどのバリアフリー化などだが、なかでも目を惹くのは「大型フリースペース」(仮称)だろう。
フリースペース車両の中央部には座席がなく、車椅子やベビーカーがゆったりと乗れる構造になっている。座席がないので、子どもが立って外が見られるよう、窓は低い位置まで大きくとられている。この車両は駅のエレベーターに近い5両目に配置される。すべての人が目的を問わず安心して快適に乗れる車両ということで、とくに利用制限はない。車椅子やベビーカーに文句を付ける心ない輩が、わざわざそこへ乗ってくることはないだろうから、そういう点でも安心できる。
2000系は2026年初旬から2027年3月にかけて10両4編成を導入される予定だ。
プレスリリース