スタンドアースは競争局のコミッショナーに対して、次の3点をルルレモンに命じるよう求めている。1つはBe Planet販促をすべてのウェブサイトやコミュニケーションの形態から削除すること。2つめは、カナダの顧客に向けて、虚偽の誤解を招くような情報を提供したことに対する謝罪文を発表すること。3つめは、罰金として年間総売上の3%をカナダの気候変動の緩和と適応のための基金に拠出することだ。同社の2023年の純売上は96億ドル(約1兆5010億円)だった。
当局は米国時間4月26日に、コミッショナーが調査を開始したことをスタンドアースに通知した。だがその文面からは、この調査が法律で定められた形式的なものであることがうかがえる。競争局の通知書には「競争法の第10項(1)(a)に従い、競争局のコミッショナーが調査を開始した」とある。
同法では、18歳以上のカナダ居住者は6人で競争局に申し立てることができるとされている。苦情が提出された場合、同法に基づきコミッショナーは調査を開始しなければならない。
言い換えると、調査は法律上、行わなければならず、ルルレモンの違反を認定するものではない。だが、この件は販促における気候関連の主張の危険性を示している。疑惑によってルルレモンは消費者からの批判に直面するかもしれない。カナダの当局が違反はないと判断し、それ以上調査を進めなければ、メディアに取り上げられることは激減するだろう。グリーンウォッシングを行っているという非難は行き詰まることになる。
(forbes.com 原文)