ルルレモンは、カナダのブリティッシュコロンビア州バンクーバーに本社を置く国際的なアパレル企業だ。国際的な圧力により、企業が持続可能性と環境・社会・ガバナンス(ESG)に関する報告書を発表するようになり、同社も2020年に「インパクト・アジェンダ」というESG報告書を発表した。報告書では、持続可能な素材の使用や温室効果ガス排出の削減などを通じて、環境への影響を軽減する計画を示した。
その後、同社は「Be Planet」という販促を展開し、気候変動や環境に配慮していると一般的な主張を行った。
当局に調査を申し立てたスタンドアースの6人は2月8日付の書面で、ルルレモンが「虚偽または誤解を招くような、環境に関してふさわしくない直接的な主張」を行ったと指摘した。この申立書はバンクーバーのビジネス訴訟を専門とする法律事務所ハーパー・グレイが作成し提出した。
ルルレモンの2022年のESG報告書には、2020年以降、温室効果ガス排出量が100%増加していると記されている、と申立書にはある。さらに、製品に使用されている素材の60%が化石燃料由来のものであることも指摘。だがスタンドアースは、排出された温室効果ガスの99%はルルレモンからではなく、バリューチェーンとエンドユーザーからだとも記している。
このような温室効果ガス排出量の増加にもかかわらず、環境に優しい取り組みを行っているというルルレモンの6つの主張をスタンドアース側は断じている。ルルレモンが販促で使っている文言には「当社の製品と取り組みは環境への負荷を減らし、健全な地球の回復に貢献する」「実践と思いやりのある解決策を採用し、進化させることで、当社は提供する製品の質を高め、環境の回復に貢献する」といったものがある。