北米

2024.05.15 13:00

カナダ当局、ルルレモンが「環境配慮を誇張」した可能性で調査開始

JHVEPhoto / Shutterstock.com

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環境活動団体のStand.earth(スタンドアース)の申し立てを受け、カナダ競争局は同国のスポーツ衣料品大手ルルレモン・アスレティカが不正なマーケティング行為を行っていたか調査を開始した。スタンドアースは、ルルレモンが「Be Planet(ビープラネット)」と銘打った販促活動で気候変動に関する取り組みを誇張することでグリーンウォッシングを行っていると主張している。当局は正式に調査を開始したが、当局が不正を指摘しているわけではない。

ルルレモンは、カナダのブリティッシュコロンビア州バンクーバーに本社を置く国際的なアパレル企業だ。国際的な圧力により、企業が持続可能性と環境・社会・ガバナンス(ESG)に関する報告書を発表するようになり、同社も2020年に「インパクト・アジェンダ」というESG報告書を発表した。報告書では、持続可能な素材の使用や温室効果ガス排出の削減などを通じて、環境への影響を軽減する計画を示した。

その後、同社は「Be Planet」という販促を展開し、気候変動や環境に配慮していると一般的な主張を行った。

当局に調査を申し立てたスタンドアースの6人は2月8日付の書面で、ルルレモンが「虚偽または誤解を招くような、環境に関してふさわしくない直接的な主張」を行ったと指摘した。この申立書はバンクーバーのビジネス訴訟を専門とする法律事務所ハーパー・グレイが作成し提出した。

ルルレモンの2022年のESG報告書には、2020年以降、温室効果ガス排出量が100%増加していると記されている、と申立書にはある。さらに、製品に使用されている素材の60%が化石燃料由来のものであることも指摘。だがスタンドアースは、排出された温室効果ガスの99%はルルレモンからではなく、バリューチェーンとエンドユーザーからだとも記している。

このような温室効果ガス排出量の増加にもかかわらず、環境に優しい取り組みを行っているというルルレモンの6つの主張をスタンドアース側は断じている。ルルレモンが販促で使っている文言には「当社の製品と取り組みは環境への負荷を減らし、健全な地球の回復に貢献する」「実践と思いやりのある解決策を採用し、進化させることで、当社は提供する製品の質を高め、環境の回復に貢献する」といったものがある。
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翻訳=溝口慈子

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