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2024.05.14 11:00

【米国株ウォッチ】シティグループは年初来20%高、その行方は?

Alex Segre/UCG/Universal Images Group via Getty Images

シティグループの株価(ティッカーシンボル:C)は、年初来のS&P500の上昇率である約10%に対し、同期間で約20%上昇している。さらに、株価は米国時間5月13日現在、1株当たり63.40ドルで取引されており、これは私たちのシティグループの目標株価67ドルを約5%下回っている。

株価パフォーマンス

現在の金融情勢を背景に、シティグループは2021年1月上旬の60ドル台から65ドル前後まで小幅に変動している。注目すべきは、シティグループは過去3年間、いずれも市場全体をアンダーパフォームしていることだ。2021年のリターンはマイナス2%、2022年はマイナス25%、2023年は14%であった。これに対してS&P500のリターンは2021年27%、2022年マイナス19%、2023年24%であり、シティグループが2021年、2022年、2023年にS&Pを下回っていることがわかる。

決算分析

シティグループの2024年第1四半期決算は市場予想を上回った。総収益は前年同期比2%減の211億ドル(約3兆2000億円)となった。ウェルス・マネジメント部門が4%減、セールス・アンド・トレーディング部門が5%減、その他すべての部門が9%減となったため、トップラインは減少した。

一方で、サービス部門(トレジャリー・アンド・トレード・ソリューション、セキュリティ・サービス)の8%増、バンキング部門(投資銀行、法人向け融資)の49%増、パーソナル・バンキング部門の10%増により、その影響はほぼ相殺された。コスト面では、貸倒引当金繰入額と営業費用合計の営業収益比が当四半期に増加した。この結果、当期純利益は前年同期比27%減の33億7000万ドル(約5263億円)となった。

昨期、2023年度通期のシティグループの総収入は前年度比4%増の785億ドル(約12兆2000億円)であった。これは主に、サービス部門が16%増、パーソナルバンキング部門が14%増、その他すべての部門が4%増となったことによるものである。とはいえ、このプラスの影響は、セールス・アンド・トレーディング部門の6%減、バンキング部門の15%減、ウェルスマネジメント部門の5%減によっていくらか相殺された。費用面では、引当金繰入額は前年同期比75%増の91億9000万ドル(約1兆4000億円)に急増した。さらに、営業費用も前年同期比10%増加した。当期純利益は、前年同期比38%減の92億3000万ドル(約1兆4000億円)だった。

バリュエーション

決算としては、第2四半期も同様の傾向が続くと予想される。2024年度通期では、シティグループの収益は807億ドル(約12兆6000億円)に達すると私たちは予想している。さらに、シティグループの調整後純利益率は改善し、GAAPベースの年間EPS(1株あたり純利益)は5.81ドルになると予想する。そのEPSに12倍弱のPERをかけ合わせ、目標株価の67ドルを算出した。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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