フランスに本部を置く国際ブドウ・ワイン機構(OIV)のジョン・バーカー事務局長はオンライン会議で、世界の需要と供給はある程度均衡が取れているものの、国や地域によってばらつきがあると説明した。同事務局長は、世界のワイン生産にとっての懸念事項は、酷暑や干ばつ、霜、山火事、洪水をもたらすほどの大雨など、極端な気象だと警告。ブドウの木が気候変動の影響を強く受けることは知られているが、同機構は今後も持続可能なシステムの発展に積極的に貢献していくと述べた。
世界最大のワイン生産量を回復したフランス
昨年はワイン生産量上位10カ国が入れ替わり、フランスが1位の座を回復した。イタリア、スペイン、米国、チリがそれに続いた。世界最大のワイン消費国は米国
OIVの報告によると、ワインの消費量では米国が世界1位だった。このため、大規模なワイン生産国や輸出国にとって、米国は極めて重要な国となっている。というのも、同国のワイン生産量は国民の需要に追いついていないからだ。それに加え、米国人は外国産のワインを好む傾向がある。米国に次いでワイン消費量が多い国は、フランス、イタリア、ドイツ、英国だった。中国は9位に転落した。興味深いことに、1人当たりのワイン消費量で分析すると、米国は人口が多いため、15位まで落ち込むのに対し、ポルトガルは人口が少なく、ワインが文化や生活の一部として根付いているため、1位となる。
設立100周年を迎えたOIV
OIVは1924年、フランスの首都パリで設立された。同機構が今年で設立100周年を迎えることから、バーカー事務局長は世界のワイン産業が今後もさらに100年以上繁栄し続けることを願って次のように述べた。「OIVは設立100周年を迎える。当機構は課題を認識しつつも、技術革新や情報伝達、研究などの活動を続けていくことで、世界のワイン業界に好機が訪れることを知っている。OIVは次の100年とその先を見据えている」(forbes.com 原文)