そうしたなかで、がんの早期発見などの研究を行っているCraifが、全国のがん経験者を対象に「がんに対する意識調査」実施し、その結果が公開されている。
それによると、がんと発覚する前のがん検診受信の頻度を問うたところ、「定期的に受診していた」が46.7%と最も多かったものの、「受診したことがない」が35.6%もおり、「一度だけ」や「数回」、「数年に一度程度」とあまり受診したことがない人のほうが52.1%と半数を超えた。
がんと発覚する前、がん検診を定期的に受けていなかった理由としては、1位が「面倒だから」で26.3%とダントツ。2位が「いつでも医療機関を受診できるから」で16.9%、3位が「経済的に負担になるから」で15.0%と続く。確かに最近は人間ドックでもオプションでがん検査項目があるが、価格はそれなりに高く、個人だと躊躇するかもしれない。
一方で、がんと発覚するまでのがんに対する意識としては、「不安がなかった」が62.7%もおり、その理由としては、「自分とはほど遠い病気だと思っていた」が52.6%、「健康に自信があったから」が33.7%、「まだ若いから」が15.5%となっており、健康に対する根拠のない自信を持っている人が多いことが伺える。
がんになる前に、がんについてどのくらい知っておきたかったについては、「早期発見することで助かる可能性が高いこと」が46.1%ともっとも多く、「定期的な検査が早期発見のために重要なこと」が44.1%、「早期発見できると治療の身体的な負担が小さいこと」が44.0%と続いている。
ただ、もっと頻繁に検診を受けておくべきだったかとの問には、「非常にそう思う」「ややそう思う」を合わせて57.2%と6割弱で、「定期的に受診していた」人が46.7%だったことを考えると、わずか10ポイントしか上昇していない。早期発見で助かる可能性が高いと知っても、意識を変えることは難しいようだ。
出典:Craif「がんに対する意識調査」より