時価総額が約40億ドル(約6230億円)のスウィートグリーン株は、年初来で185%高を記録しているが、TDコーウェンのアナリストのアンドリュー・M・チャールズは、同社の株価の上昇が、ファストフードとファミリーレストランの中間に位置する「ファストカジュアル」全体の好調ぶりを示す最新の証拠だと述べている。
このカテゴリでは、地中海料理のCAVA(カヴァ)が年初来で93%高、高級バーガーチェーンのShake Shack(シェイクシャック)が同41%高、メキシコ料理のChipotle(チポトレ)が同44%高、チキンウィングの専門店Wingstop(ウイングストップ)が同55%高と、軒並み好成績を記録中だ。
カヴァ、チポトレ、ウィングストップの3社の株価は10日に史上最高値を更新した。
スウィートグリーンとカヴァの年初来のリターンは、時価総額が1000億ドル(約15兆円)以上の企業で最高のパフォーマンスを記録したエヌビディアの約90%のリターンをも凌駕している。
一方、今年はレガシーなファストフードチェーンには苦難の年であり、マクドナルド株は年初来で7%安、バーガーキングの親会社のレストラン・ブランズ・インターナショナルは同5%安、ウェンディーズは同2%安を記録している。さらに、スターバックスは年初来で約19%安という落ち込みようだ。
高い利益率
市場の注目が、昔ながらのハンバーガーからファストカジュアルに移行している背景には、この分野の高い利益率が挙げられる。スウィートグリーンを含む新興5社の直近の利益率が18%から26%程度であるのに対し、マクドナルドとウェンディーズの利益率は18%と15%だった。また、マクドナルドはチポトレに比べて、6倍の粗利益を生み出しているが、同社の時価総額(約2000億ドル)はチポトレ(約900億ドル)の2倍強にしかなっていない。これは、チポトレの方が高いレストランマージンを持っているため、チポトレの評価が高くなっていることを示している。投資家は、スウィートグリーンやカヴァなどの企業が、健全なペースで成長しながら急速に店舗を拡大する可能性があると考えており、アナリストはこの2社の既存店売上高の成長率が、2027年までの各年においてマクドナルドを大きく上回ると予測している。
チポトレ株は2006年から7200%上昇
一方、スウィートグリーンは、上場以来の10四半期でまだ黒字を達成しておらず、アナリストのコンセンサス予想では、黒字化は少なくとも2026年以降になると予想されている。しかし、RBCキャピタルマーケットのローガン・ライヒによれば、スウィートグリーンの「魅力的な長期的ユニット成長ストーリー」は、部分的には「ファストカジュアルセグメントの継続的な全体的成長」から来ているという。このセグメントで最も新しい上場企業であるカヴァは、昨年6月の上場以降に株価を88%上昇させているが、スウィートグリーンとは異なり、2023年に1300万ドルの純利益を計上した。また、チポトレは、2006年に上場して以来、2015年の食中毒で大きな打撃を受けたものの、積極的なデジタル投資などが功を奏し、株価を上場来7200%も上昇させており、この分野における最も有名なサクセスストーリーの一つとなっている。
(forbes.com 原文)